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チンギス紀感想(一報)二十七回分

毎月17日は「小説すばる」の発売日。

ということで、今日は言うまでもなく「チンギス紀」を購入後読んで、数度読み返す。



ここ数回続いていた勢力間の揺れ動きが一つの頂点へ。

ついにモンゴル民族統一へ名乗りを上げたテムジン。

が、それは外交上の孤立を意味していた。


金との関係も絶対的(一心同体となって戦ってくれる)関係ではなく、むしろ漢民族との連携を図ったことで、テムジンは周辺民族の反感を買うことに。


その割にテムジン軍が和気あいあいとしていたり、新規戦力が参入したり、と比較的穏やか(苦笑)


一方、共通の敵を持った他陣営は大連合を組む動き。

でも、どこかテムジンへの羨望の匂いを醸し出す。


本当は、一つになって、外敵と戦うべきではないのか?

大切な自民族たちを守れれば、それでよいのではないか?

いや、それよりも、こうやって一本筋の通った主張で戦う漢こそ、目指すべき目標なのではないか?


ひとつの思いでは割り切れない、入り組んだ関係の糸が、個々の思いすら汲むことを許さない。


人は大きな決断をするとき、初めて自らを省みる。そして、気がついたときには、どうにもできない袋小路にいたのが、ジャムカ。

こういう漢が一番北方文学では映える。


わかっている、を呑み込んだシーンが最高。

泣けてくるわ。


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