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中小零細企業が生き残るヒント

私たち中小零細企業を取り巻く経営環境は、近年ますます厳しさを増しています。

特に昨今の最低賃金の度重なる引き上げや、短時間就業の契約社員やパート社員に対する社会保険加入義務により、人件費の増加が顕著です。さらに、消費するエンド顧客に近い我々中小零細企業は、値上げによる客離れが顕著で、中々踏み切れない。
そんな中、商社、メーカーからの原材料費の受入ざるを得ない値上げ、国策のエネルギー関連の電気・燃料費の値上げもあります。
金融機関の融資審査が厳格化し、資金調達がますます困難になる中で、事業の安定維持や成長が難しくなっているのが現状です。このような中で、事業を持続可能にするための具体的な対策について、私たちが共に取り組むべきと考える内容をお伝えしたいと思います。

まず、第一に取り組むべきは、『業務の効率化』です。

少ない人員で最大の成果を出すことが求められるため、業務フローの見直しや、デジタルツールの活用を進めることが重要です。たとえば、在庫管理や会計処理において、クラウド型システムを導入することで管理負担を軽減し、業務の効率化を図ることができます。また、可能な範囲でリモートワークを推進することにより、通勤時間の削減や業務スピードの向上といったメリットも期待できます。経費面で交通費の削減効果もあるでしょう。さらに、業務がデジタル化されることで、場所や時間に制約されずに社員が業務に専念できる環境を整えることができます。
但し、少数精鋭で、成果重視の考えで働く社員で構成される組織にしないと、自由をはき違えた秩序のない勤怠や業務となり、各自の成果が出せず、業績は悪化し易くなります。個々の社員の意識に自信がない経営者は、リモートワークを推進すべきではないと思います。

次に、『人材の多様性を活用する』ことです。

現在、労働市場においてはシニア層や女性、障がいを持つ方々が柔軟な働き方を求めています。私たちが柔軟な雇用形態を取り入れることで、彼らの持つ豊富なスキルや経験を組織に取り込むことが可能となります。たとえば、時短勤務や在宅勤務を希望する方々を積極的に受け入れることで、働きやすい環境を提供しつつ人材を確保することができます。これにより、少ないコストで有効な人材を確保できるだけでなく、社員一人ひとりが持つ多様な視点やスキルを活かした事業運営が実現できます。

さらに、『社員へのスキルアップ支援』にも注力することが、企業の成長と持続可能な経営に繋がると考えます。

各社員が自身のスキルを高め、広範囲の業務に対応できるようにすることで、限られた人員でも柔軟に対応できる体制を整えることができます。たとえば、資格取得のためのサポートやオンライン研修を提供することで、社員の意欲を向上させ、組織全体の生産性を底上げすることが可能です。また、スキルの向上以外にも、モチベーションアップ支援として、メンタルトレーニングやメンタルヘルスを福利厚生として提供することも有効です。

加えて、『商品やサービスの付加価値を高める取り組み』も重要です。

昨今の最低賃金引き上げに対応するため、価格競争に巻き込まれるのではなく、サービスや製品の価値を高めることによって、収益性を確保する必要があります。具体的には、製品の品質向上やアフターサービスの充実など、顧客の満足度を向上させることで、他社との差別化を図り、価格見直しの理由を正当化することが可能です。

最後に、こうした施策を実行するためには、やはり『資金調達の課題』を乗り越える必要があります。

特に金融機関の融資審査が厳しくなっている中、十分な資金を確保することが難しいと感じる経営者も多いかと思います。そのため、私たちは補助金や助成金制度を積極的に活用するだけでなく、クラウドファンディングやビジネスマッチングを活かした統合による規模拡大、利益改善をアピールした調達、事業ごとで起業し、新会社として調達といった新たな資金調達手段にも注目していく必要があります。こうした方法を活用することで、必要な資金を確保しつつ、企業の成長を支援していくことが可能になるでしょう。

このように、私たち中小零細企業が直面する経営課題に対し、業務効率化や人材活用、多様な資金調達手段を取り入れながら柔軟に対応していくことが必要です。厳しい状況ではありますが、知恵と工夫で共に乗り越えていきましょう。

諦めるのは早すぎます。その前に、一度ご相談下さい。希望を見いだしましょう!


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