ピアノについて の質問!
ピアノについて
ある質問をする!(2010.04.30)自分の古いブログから〜転載
ピアノにもう1オクターブ増やせますか?と
答えはNO-!正確な答えは、増やしても人間には聞こえない!です。
ピアノの歴史を音楽家の年代と重ね合わせて見てみます
ピアノは1700年にイタリアで誕生します。イタリアのクリストフォリ(1655~1731)が現在のピアノの原型を創りました。
最初はチェンバロの形をしていました。
チェンバロは撥弦楽器(はつげんがっき)で、ピアノは打弦楽器です。
少し整理しますが、チェンバロ cembalo はイタリア語、英語ではハープシコード harpsichord(竪琴+弦)、フランス語ではクラブサン clavecin です。
チェンバロで、音量や音色を音楽表現として変化させたいと考えても撥弦楽器ではほぼ同じ強さにしか演奏できないという弱点がありました。
それを、ハンマーの原理でアクションを使って打弦する事で解決したいと考えた。ですから、音量を表現できるという意味で、ピアノフォルテと名付けられました。
バッハは1750年に亡くなりますが、ピアノらしきモノを弾いています。ペダルは無かったと思います。
バッハの曲にはパイプオルガンもチェンバロも多いのはその為です。
ストラディバリは1737年に亡くなっていますから、楽器としてはバイオリンもチェロもビオラも完成していたといえます。
バッハが亡くなって6年後モーツァルトが生まれます。
天才モーツァルトが弾き始めたピアノは4オクターブくらいです。
旅が多かったモーツァルトは楽器を持ち歩いたと言いますから、大きさは小さかったと思います。
モーツァルト一番活躍した時でも5オクターブがやっとの時代です。
1791年にモーツァルトが亡くなって、その後5年でやっと、6オクターブのピアノが生まれます。ベートーベンの時代です。
今年はショパンが生まれて、生誕200年です。
その1810年頃にやっと6オクターブのピアノは完成しますが、フレームは未だ木製です。
一つのハンマーに弦は1本か2本がせいぜいです。十分な音量は未だ得られません。そして、鍵盤も今より少しずつ狭かった。
そして、ペダルも無く、鍵盤の下に木製のバーがあって、それを腿で上に上げる機構があり、それがペダルと同じ役目をしていた。
弦も鉄製でしたが鋼鉄ではなかった。低音弦には真鍮が使われていた。
1819年ワイヤーを作るダイアモンドダイスが出来て、鋼鉄の均質な太さの弦が完成します。
リストが演奏会で7オクターブのピアノを弾くのが1824年です。
そして、1835年いよいよ鋳鉄製の鉄骨フレームで現代のピアノの原型が完成です。つまり、鋼鉄製のピアノフレームが無ければ、強大な弦の張力の内圧で破壊されてしまうのです。
ベーゼンドルファがピアノ製造を開始。
スタインウエイがニューヨークに移住する1849年ショパンは亡くなる。
1853年スタインウエイは米国でスタインウェイ・アンド・サンズ(Steinway & Sons)を製造開始する。
その後、ベルリンでべヒシュタインがピアノを製造。
ベヒシュタイン、ベーゼンドルファーと並んで、世界のピアノメーカー御三家の揃い踏みです。 日本では1900年明治32年にヤマハがピアノを製造する。創業者は山葉寅楠。 ピアノの歴史は産業革命の歴史で鉄器時代突入の歴史です。
ピアノはチェンバロの撥弦楽器の名残で、アクションの中に、コツンと引っ掛かる場所が作ってある。
これは、人為的に設けられたもので、実は、ヨーロッパにはこの引っ掛かりが無いピアノが存在する。
それも、かなりの数で、しかも、弾き慣れるとその表現力の幅が広がるという。
日本人のピアニストで 領家幸(=リョウケコウ)さんがフライブルグで演奏活動をしていた人です。
彼女は、そのピアノのことを、「もう一つのピアノ」と言っている。
私は6年位前(=2004年ごろの夏)に大坂の生駒に近い大門酒造の蔵で彼女の演奏会の録音をしている。彼女はピアニスト袴田泉さん(=熊本大学音楽教授)の友人です。
写真は2012年9月にフライブルグでお会いした時のものです。
演奏は素晴らしいので、是非、購入して聞いてください。
ご本人は残念ながら私がお会いした数年後に天国に旅立ちました。
今一番バランスの良いピアノは何だろう?
スタインウェイ・アンド・サンズ(Steinway & Sons)は創業者の亡くなった後ドイツのハンブルグに再度工場を造り、ハンブルグ・スタインウェイを製造する。一番はその、ハンブルグ・スタインウェイB型。サイズで言うとYAMAHAのC-5のサイズです。このサイズは一般家庭でも入る大きさです。あそうそう、グランドピアノは大きくて部屋に入らないと思ってる人は多いと思いますが、実は、
アップライトのピアノよりもグランドの方が運び易いのです。
グランドは脚を外すと、ドアから楽に入るのです!