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当たり前かもしれないけれど、ドイツでの育児は肩身が狭くない
ドイツで妊娠・出産、育児している私は、日本で育児をしたらどう感じるのかはわからない。でも、色々なところで見聞きする情報だと、日本での育児は肩身を狭い思いをすることが多そうだと感じる。
外国での育児、かつ、助けてもらえる家族がいない状況で、決して楽ではない育児なのだが、それでも何とかやっていけているのは、ドイツでの育児で、窮屈な思いをすることが少ないから。例えば、こんなことがあった。
集合住宅の階段にて
日本でいう、集合自宅の2階に住んでいる。エレベーターは付いているのだが、なぜか1階半から乗る形なので、2階に住んでいる私たちには、財布にたくさん溜まっていく1セント硬貨くらい無用なものだ。
(ドイツでは、買い物に1セントや5セントといった10セント以下の細かい硬貨を使うと、嫌な顔をされたり、そのままお釣りとして返されたりする。そうして、財布の中には小さな硬貨が溜まっていく・・・。)
エレベーターが使えないので、外出するたび、ベビーカーを2階の我が家から降ろし、帰ってくるたびに1階から2階にあげている。軽めのベビーカーを選んだものの、赤ちゃんが平らに寝れる形のベビーカーは、なかなかに重い。
四苦八苦しつつも、毎日階段を使って、ベビーカー上げ下げしている。集合住宅の人全員が使うこの階段。ベビーカーを使うようになり、階段での滞在時間が増えたため、住人に会う機会が増えた。
階段の前で、さて、これからベビーカーを担いで上げようか、としている時のこと。今まで、話したことがない、若い住人男性が後ろからやって来た。
颯爽と階段を数段駆け上ったのだが、急に止まって、
「手伝いましょうか?」と言った。
まさか話しかけられるとは思っていなかった私。だって、この男性、今まで何回かすれ違ったことあるけれど、挨拶しても、反応薄かったんだもの。
「VielenDank!(ありがとう)。大丈夫です。」
予想していなかった問いかけに慌てつつ、返事した。助けてもらったらもらったで、ありがたかったけれど、助けを期待していないときに、予想していない人から、助けの手をさし述べてもらえたことが、なんとも言えず、嬉しい。
この男性以外にも、「手を貸そうか?」と声をかけてくれた人もいれば、ベビーカーを引いていると開けにくい総合玄関を代わりに開けてくれた人もいる。
公共交通機関にて
日本では、ベビーカーを電車に乗せると、あからさまに嫌な顔をする人がいると聞く。特に、満員電車の朝の通勤時間帯。ベビーカー移動せざるをえないパパ・ママの大変さを想像するだけで、汗が出てきそう・・!
ドイツのベビーカーは、デカい。このデカいベビーカーが、電車の一つの扉前に2台以上あると、かなり圧迫感を感じる。
正直ベビーカーを使っている方も、邪魔だろうなと思うし、ベビーカーを使うようになるまでは、邪魔だなと思ったこともあった。
毎回電車には、ベビーカー、デカすぎるよなあと思いつつ、乗るのだが、今の所、乗客に嫌な態度を取られたことはない。むしろ、ベビーカーが止めやすい、角の場所を譲ってくれたりする。心の中で邪魔と思っていても、適切な対応をする人が多い。
それでも、私はまだ電車にベビーカーを乗せるのは億劫だけれど、ドイツ人パパ・ママはかなり堂々とベビーカーを電車に乗せている。
肩身が狭いなんて、考える必要なんてないよね、と思えるくらいに。