ハーフの子の外見と日本人のコンプレックス
我が家の息子は、スペイン人と日本人のハーフ。スペイン人夫は、黒髪黒目なので、髪の毛の色が金髪だったり、肌の色が違ったり、という所謂明らかなハーフっぽくはない。
それでも、おめめぱっちりで彫りも深めで、顔も小さめ。標準的な和風な顔立ちである母親の私には、あまり似ていない。
息子と私は、今しばしの間日本に拠点に置いて暮らしている。日本に住み始めて、ハーフの彼の見た目について言われることがあまりにも多く、ちょっと気になってきている。
よく外見について声を掛けられるのが、外出先で出会う知らないおばさんや、おばあさん。
「お目目くりくりでかわいいわね〜。」
「お顔ちっちゃいねえ!」
などなど。息子はまだ幼児で小さいので、あまり自分の外見に言われていることを理解していないようだけれど、今後歳を重ねていくにつれ、これだけ自分の外見について言われるのをどう思うのだろうか。例え、お褒めの言葉が多いとはいえ。
最近は、息子の見た目について声を掛けられるたびにそう思うようになってしまった。
きっとおばさん達は、「今日は良い天気ですね。」というような当たり障りのない会話レベルで、息子に対して「可愛いですね。」と言っているのだろう。でも、天気とは違い外見のことを言われ続けるのは、本人の受け止め方次第で、ネガティブな気持ちになることもあるのではないか、と少々心配している。
日本人の見た目コンプレックス
一方、彼に掛けられるお褒めの言葉に日本人の見た目コンプレックスが隠されているとも思ったりもする。
和風な顔立ちの私の弟も、私と同じく和風な顔立ち。パッチリ二重とは真逆のシュッとした一重である。そして、弟は甥っ子にあたる息子に会うたびに、「綺麗な二重でいいな〜」と言う。
それを聞くたびに、私も高校時代の時に、自分の瞳が一重であることにコンプレックスを持っていたことを思い出した。
そんな私だが、ドイツに10年近く住み、外国人の外見は羨ましいものではなくなってしまった。ドイツ人を始め、欧米人の二重の大きな瞳、小さな顔、長い脚は、ただの違いであって、憧れの気持ちを抱くことはない。違いに慣れてしまったからだと思う。
でも、日本にいると、まだまだ同じ人種である日本人が大半だし、大きな外見の違いを感じることはない。だからこそ、ハーフの息子が持つ外国人的な要素を見て、「自分が持ってないものを持っている。羨ましい。」と思ってしまうのだろう。