ルール6 野望にまみれる
ボランティアに参加するうちに、ボランティアとは違う、純粋に自分が経験してみたいと思うことが増えた。
世の中に飛び出してみようと、ずっと頭の中で考えていた旅を実行に移した20歳の夏。
青春18切符で貧乏旅をしている時に出会った人たちとの鮮烈な出会いが忘れられない。
色々な人と出会ううちに、井の中の蛙であった自分に気付いた。
何も知らない自分。経験不足な自分。
まざまざと思い知る一方で、
極端に困窮する出来事もなく、
国が平和で、なおかつ心身ともに元気で…
そんな恵まれた時間は人生の中でもかなり有限であると思うと、弱冠二十歳にして焦る自分がいた。
モラトリアム人間でいられる時期は儚く、たいそう短い。
そんなことを思っていた時に、穂村弘さんの「現実入門」という本に出会った。
その本は、穂村弘さんが一般的に生活をしている人よりも"未体験のことが多すぎる"という観点から話が進んでいくのだが、これが面白い。
穂村弘さんのエッセイを読んで自分も何か変えてみたいなと思うようになった。
そこから毎年、お正月に野望100を書き表し、未経験のことやもっとやってみたいことなどに1年かけて挑戦してみることにした。
ルーズリーフに殴り書きしたものを家族にはずっと見せていたけれど、SNS上で人に公開したのは去年が初めてだった。
今では色んな人に野望をきっかけに話をしてもらえる。
この先もずっと公開し続けるかは分からないが、ひとまず野望を書き連ねるのはこれからも続けたいなと思っている。
世の中は開拓するほどに、未開拓なものと出会えるので本当に面白い。
そしてとりわけ人との出会いは面白く、本当に、一人ひとりの生きてきた時間がとてつもなく豊かで、心惹かれる。
様々な人の人生と交わり続ける人生でありたいなと思う。