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あかね噺-第145席・見てなよ-感想
<第144席感想・感想リンク・第146席感想>
「Bの星線」が連載開始。
挫折した天才ピアニストが転生したベートーベンにピアノを習う話。ピアノ版の「ヒカルの碁」なのかな?
他の漫画が思い浮かぶのは、ちょっと弱い気がする。特にキモである過去の偉人が若人に教えるって部分が、ほとんどそのままだと厳しいかな。
ピアノ漫画だと「PPPPPPP」があったけど、あれは唯一無二の漫画だったし作家性もあった。あれと比べると小粒な印象がします。
ただ、ベートーベンは作曲家だけではなくピアノ奏者としても優秀で音楽の歴史の中でも重要な位置づけにありながら、平坦な人生を送らなかったという意味で非常に面白い存在で、この人物にフォーカスを当てているのは面白く、ベートーベンの魅力を描き切れれば良い連載になると思います。
新連載については、もう少ししたら感想を書こうと思います。
◆あらすじ
週刊少年ジャンプ 2025年2月10日発売 11号
弥栄亭での高座に向かうあかねだが、車酔いで体調がすぐれ無い所に、りゑんの意地悪もあって後輩に心配されるが、それに全く動じない姿を見せる。
◆感想
フランスでの修行を見せて説得力を上げるかなと推測してたんだけど、弥栄亭に舞台が移りました。フランスでの様子はダイジェスト的に紹介されるのかな?
色々思うことはあるけど、あかねの落語でスカッとさせてほしいです。
今回は、お前変わらんかったな・前座達・袴、について書いていきます。
お前変わらんかったな
今回を読んでまず思ったのは「お前、変わらんかったな」っていう前中日監督立浪和義のネットミームでした。
一瞬でも、りゑんが更生したんだと信じかけた自分を恥じたい。
良いやつになったと思った瞬間は、こうやって立派な落語家に成長していくんだなって思ったんですけど、現実世界と同様に落語界にいれば良い人にならざる得ないという事はなく、変わらん人は変わらないという当たり前の帰結でしたね。
でも、りゑんはこれで良いと思います。大して美味くもない昔の駄菓子を食べて、そうそうこの味って感じで逆に清々しい気分になりました。
りゑんが出てきたのは34話、あれから100話以上たったわけで、なかなか長い連載になってきたと感じます。
でも、りゑんの妨害がしょぼすぎません?前座に嘘を教えて嫌わせるみたいな妨害は、嫌なやつだと思うけど、全生師匠の妨害に比べたら全然小さい。
久しぶりに登場のりゑんですが、ここでも大きな爪痕を残すことなく、読者の期待通り気持ちよく散ってくれるでしょう。
前座達
あれから3年経って、あかねにきちんとした形での後輩が出てきました。
前座から二つ目に上がるのは4年程度なので、3年前から姿を消したあかねの事を知らない前座がたくさんいるのも不思議ではありません。
特にあかねは、落語家になって2年程度のスピード昇進で東京の落語界にいる時間も短いので、前座が知らないのは当然でしょう。
その中で”阿良川泰そん”という阿良川の弟弟子が出てきました。あの泰全の弟子らしくコミュニケーションに難がある感じで、どういう師弟関係を築いているか心配になります。
そんな泰そんの回想で、あきらかにぐりこだと分かる先輩が出てきました。
泰全一門に預けられたぐりこですが、元気にやっているようです。
泰全の所にぐりこはどうなんだって思ったのですが、ぐりこは志ん太の真打ち昇進試験の時にはすでに志ぐまに弟子入しており、その志ん太とほぼ同期で、志ん太の少し前に真打ちに昇進していた泰然には当時まだ弟子がいなかったと考えると、ぐりこが経歴上では泰然門下の弟子で一番年長の弟子になると思います。
ぐりこは、まいけるに独白したときに語っていたのは、自分がされたように自分も後輩弟子に頼られる兄弟子になりたいというものでした。
泰全はあんな感じの師匠ですし、ぐりこは泰然門下で唯一の二つ目であってもおかしくないと考えると、泰然門下で頼られる兄弟子として頑張っているのかもしれません。
回想でぐりこが元気なのも、そういう理由もあるのかなって思いました。
袴
心配する”泰そん”に対して、自信満々なあかねですが、高座には袴で上がりました。
フランスではいつもの着物だったのに、ここにきてなぜ袴なのか?
落語家は二つ目になると、羽織の着用が許されます。この羽織は、マクラから本筋に入る所で羽織を脱ぐのが合図になっていて、第一話の志ん太を始めとしてあかね噺に登場した様々な落語で、この部分の所作が描かれています。私は4代目桂春団治を見て育ったので、この羽織を脱ぐところの所作が大好きなんですけど、作者のお二人もこの部分に魅力を感じているのかなと思っていました。
なので、あかねが二つ目になった時には、どんな感じで羽織を脱ぐのかを楽しみにしてたんですけど、まさかの袴!
袴の落語家といえば、以前に少し話した昭和の爆笑王”林家三平”は、袴姿の落語家でした。三平は落語の中で手足を振り回して激しく動く落語家だったので、普通の着物ではなく袴を着ていたそうです。
女性落語家だと”蝶花楼桃花さん”は袴を着て落語をしているイメージがありますが、真打ちになる前は普通の着物だったような気もします。
着物ではなく袴を履くのは、いろんな理由があrいます。例えば、演じる話の内容によって袴を選ぶ場合もあるみたいで、奉行が登場する話だと、着物よりも袴の方が奉行のイメージがしやすいから、袴を選ぶこともあるそうです。
ということで、あかねのやる噺は奉行の出る噺ということで「佐々木政談」と予想します。
最近はネットを見てもテレビを見ても、何が本当で何がウソかわからない時代になりました。実は昔から無条件に信じて良いメディアなんて無かったわけで、それが分かっただけ一つ賢くなった気がしますが、そんなの信じてるの?って思うことも多く、ある意味馬鹿になっているのかもしれない。
正しくなくても信じれる何かにすがっている方が楽というのが、宗教の始まりなんだろうなと思ってみたり。元気なうちは自分で考えて、自力で立っていたいと思う。
何の話してるんだか感想はここまで、でわでわー。