匣、網膜が灼けていく。
拒絶の反射したぎらつきが刺さった傷口に毒が染みている。感覚だ。痛い痛い痛いと喚く力もなく、毛布を握る。途方のない嘔吐感と痛覚を目を瞑った。不安不安不安、内臓の輪郭だけがはっきりしていた。覚醒作用のある薬を飲んでいるせいかひたすらに瞼を閉じていても意識ははっきりとしていた。あたしは思考する、あたしの罪悪とエゴ。それを押し付けて破壊したもののすべて。次の刃物の先の光は心臓まであと2cmの距離しかない。
カフェインで脳を改竄しようと、アルコールで血流を促そうと、薬で意志を曖昧にさせ