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『技能実習生と日本語教育について』セミナーに参加してみて。

皆さんは外国人技能実習生制度をご存じですか。

この制度は、技能実習生へ技能等の移転を図り、その国の経済発展を担う人材育成を目的としたもので、我が国の国際協力・国際貢献の重要な一翼を担っています。(出典:JITOCO(公益財団法人国際人材協力機構)HP)

このように書かれています。

外国人労働者として、皆さんの身の回りにもいるのではないでしょうか。

数も年々増加しており、2020年には40万人もの技能実習生がいます。

身近な存在になってきていると思います。

しかし、技能実習生が日本へ来て働いている目的や制度の目的をちゃんと理解している人は多いでしょうか。

私もお恥ずかしながら、このセミナーを受けるまではわからないことも多くありました。

このセミナーを通して、知ることができた技能実習生の課題や問題について少しまとめました。

今回のセミナーではベトナム人技能実習生の話がされました。

1.受け入れる側と受け入れられる側の目的の解釈が異なる

まずは「受け入れる側(日本)と受け入れられる側(ベトナム)の目的意識が異なっているということです。

日本側は上記のように技能習得を目的に実習生を受け入れていますが、実際ベトナム側の日本へ行く理由は「お金」、つまり日本への出稼ぎだと思っているそうです。

本来の目的を持って日本へ来る人は多くないんですね。

これは結構衝撃的な事実でした。

まあ、そうですよね。

日本人である私たちも日本へ働きに来ている外国人っていうイメージが強いと思います。

このような制度になってきていいのでしょうか。

疑問に思いました。

また、働きに来ているので日本語学習は強制できないらしく、言語の保証がないというのも問題の一つです。

働いてお金をもらえればそれでいい。

日本語はできなくてもいい。

そう考えている実習生も多いと思います。

でも、それでいいのでしょうか。

日本でより良く生活するために、ある程度のレベルまで日本語の習得は必要だと個人的には思います。

2.来日前と来日後の日本に対するイメージのギャップが大きい

来日前後の実習生にアンケートを実施し、その結果も発表されました。

様々な項目でアンケートを取り、ある項目で来日前後のギャップが大きい項目がありました。

それは「日本人は親切だと思う」という項目です。

この結果の差がほかに比べてかなり大きかったです。

良くなったと思いますか。悪くなったと思いますか。



答えは悪くなっていました。

そうだよな~。

今の日本はそうなる結果が当たり前だよなあって思います。

あれだけニュースになっていますし、実習生(留学生も)のネットワークは広いので何か悪い事例があるとすぐにそれが広まり、日本のイメージはどんどん悪くなる一方だと思います。

さらにコロナによる新規外国人の入国禁止。

3月に緩和になりますが、全世界の待機者が全員入国できるのはいつになるかわかりません。

個人的にはこの緩和措置はあまり喜べません。

うちの学校の留学生もいつ入ってこられるのかわかりません。

後回しにされて遅いんだろうなあ、とマイナスな気持ちです。

話がそれましたが、このような結果があるのは日本人である私たちがしっかり受け止めるべき事実だと思います。

特に受け入れをしている企業の皆さん。

これでいいのでしょうか。

3.技能実習生に対する日本語教育

最後に技能実習生に対するこれからの日本語教育についてのお話がされました。

これから必要なのは「日本語で何ができるか」に着目した言語教育、ということです。

この「日本語で何ができるか」というのは「場面」「言語行動」という言葉に置き換えることができ、「場面」や「言語行動」に着目して教えていくことが必要になります。

つまり、これまでの文型積み上げ型の教え方ではなく、できること(Can-Do)を学習のゴールにして日本語を教えるのが大切ということでした。

確かに働いている実習生にとっては日本語を使わないといけない環境にいつもいるのですぐ使えるようにならないといけません。

使う場面を具体的に考えながら、学ぶことで使用するイメージもふくらみ、効果的な習得につながっていくと思います。

これは実習生だけに限らず、留学生に日本語を教える日本語教師も大切にしたい考えですね。

また、実習生が日本語を勉強できる環境、安心して生活できる環境を整えることも受け入れ側がしっかりやらなければいけないと思います。

しっかりした受け入れ体制ができていないまま、単なる労働力として受け入れているからいろんな問題が起こっていると思います。

4.まとめ

最後にこのセミナーを受けて一番心に刺さった言葉を紹介して終わります。

それは「生き残りのための自分磨きをしよう!」という言葉です。

私も最近ずっと考えていました。

私の考え方が間違っていないんだなあ、と安心しました。

やはり必要なんですね。

今の時代、日本語教師が活躍する場は学校だけじゃありません。

資格がなくても日本語を教えられます。

学習者にとっては先生の資格なんて関係ありません。

資格がないからこの先生を選ばない、という学習者はほとんどいないと思います。

だから資格があるから安心、という時代じゃなくなっていると思います。

これからはオンラインレッスンの需要がもっと増え、日本へ来て勉強する人も減っていくかもしれません。

そうなると仕事が減ります。求人が減ります。

生き残れなくなります。

結果、自分がどんな日本語教師でいたいか、どんな場所で教えたいか、学校がいいのか、地域のボランティアで教えたいか・・・などなど考えるようになりました。

学習者が日本語を学ぶ目的や学ぶ方法は様々です。

コロナが落ち着いても、日本語学校でオンライン授業が当たり前になってくると思います。

そのようなどんな変化(社会状況含む)にも柔軟に対応できる日本語教師がこれから求められている

セミナーの最後の言葉が心に響きました。

生き残ることができるように、これからも学び続けたいと思います!

久しぶりに長くなりましたが、これで終わります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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