メンヘラ女子に刺さる1冊
※少しだけネタバレあり
メンヘラ女子に刺さる1冊、正確にはメンヘラ再発オバハンに刺さった1冊の紹介です。
本のタイトルは
されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間
です。
発達障害持ち、リストカットの過去を持つお妻様が悪性脳腫瘍になり、その後、仕事と家庭とすべて抱え込んだせいかどうかはわからないけれど脳梗塞になってしまった著者、2人の18年をつづったエッセイです。
この本のどこがメンヘラに刺さるのか。
著者が脳梗塞になった後、無職のお妻様が全く不安を口にしない。仕事のこと、生活のこと、家の維持、残った障害のこと。そしてお妻様は、「頑張りすぎたね、すこし休もうよ」と著者の手を握り、背中をさするのです。
そこで、いままで家事に仕事に頑張ってきた著者ははたと気がつきます。お妻様に家事をして欲しい、稼いできて欲しいと言われたことが一度もないと。この時まで16年間、言われ続けてきたことは、「そばにいてほしい」「一緒に居る時間がもっとほしい」「どこそこに行きたいね(一緒に)」という二人で時間を共有したいというものだったのです。
メンヘラ再発中の私にはこの奥さんの発言にうなずくばかり。一緒にいてくれるなら、向き合ってくれるなら、一緒に楽しんでくれるなら、好きでいてくれるなら…、だいたい他の事はどうでもいいんですよね。いつでも愛情とか、信頼とか確認し合いたい。まぁ、それができないと荒れ狂って家庭崩壊へ突き進んでしまうのですが。
その他の部分でも発達障害、高次脳機能障害を理解するのにわかりやすいし、試行錯誤の部分も役に立ちます。発達障害当事者として涙を垂れ流しながら読みました。2年前に出た本ですが、今年の個人的本屋大賞を差し上げたい。今年になって、本は10冊も読んでないですが、それはそれ、これはこれ。