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美は心を満たし、愛が細部に行き渡る。

指先のお手入れは自分のために。お顔のお手入れは人のために。

これは、わたしのひとつの感性のお話し。

社会人になるまで、なってからも数年ほど、自分でたくさんの制限をかけてしまったことで、自尊心が低く、どこか自信のないわたしが出来上がっていた。

そんな中で、ネイルがとても好きになった。毎月一回ネイルサロンでしてもらう、形の整ったかわいくておしゃれな指先がすごく気分を上げてくれた。

仕事中、ふと目に入るキレイな指先は、『きちんとケアしているわたし』という思いを引き出し、自尊心を上げてくれた。けれでも、当時は唯一それだけしか外見磨きと言えるものをしていなかったので、なかなか内面が満たされない状況であったのだろうと思う。

心が空っぽの状態でちょっと指先だけ整えただけのわたしは、周りの友だちの結婚や自由さを見たり、キレイなひとを見ると、とたんに羨ましさや嫉妬がひっそりと出てしまい、どこか自分の人生そのものがみじめで空しかった。

そんなときに、何かを変えたくて、スキンケアをきちんと勉強するようになった。

それまで、お顔のお肌のことは殆ど関心がなかった。朝のメイクのとき以外、鏡を意識して見ることがなかったから。

けれども、よく考えたら、顔は自分では見えないだけで、自分以外には24時間さらしているのだ。

自分の顔がどうだからと言って、だれにも迷惑はかけていないと思う感性もあるだろうが、やっぱり人は美しくてきれいなものを本能的に求めていると思う。美しいものを見るだけで、気分があがる。明るくなる。ほっとできる。わくわくする。

どうせ見せるなら、キレイなものを見せたほうが、人は喜ぶ。そうすると人は愛を返してくれる。

大切なのは、自分の心が満たされること。

自分のお肌を自分できちんと見れるようになり、不思議なことに自分の心と向き合えるようになった。

そうすると、自分の身体の使い方、指先のしぐさも変わっていく。

お肌のお手入れは自分の心と向き合うために。指先のお手入れは相手を大切に扱うために。


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