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”やらないことを決める”も立派な時短術!「時間管理のマトリクス」
世の中にはあらゆる時短術が用意されています。パソコンのショートカットキーのように、小さな時短をたくさん積み重ねて、大きな時間を生み出す方法。ロボットやAIのように、人間の代わりに仕事をしてくれる機械もあります。
時短術は、忙しい私たちの味方です。それらを活用してムダを省き、効率を上げて仕事をするのは大切なことです。
ですが、どれだけ効率やスピード重視で仕事をしても、ひとりの人間ができることには限りがあります。無理をして仕事の質が下がることや、精神的な余裕を失うことがないよう、やることを整理するのも、ときには必要です。
仕事で求められるのは、与えられた仕事をただこなすだけでなく、限られた時間の中で大きな成果を生み出し、社会に貢献すること。やることを減らし、重要な仕事に時間をかけることも大切です。
やらないことを決めるには、やることに優先順位をつけることが必要です。そこで活躍するのが時間管理のマトリクスです。
この考え方はプライベートや家事にも応用できます。忙しい中で、新しいスキルを身につけたいときや、夢に向かって行動したいとき。時間の使い方を見直して、自分の時間を作るために使うこともできます。
私は毎週このマトリクスを使って、やることを整理しています。写真のように、週ごとにこの図を書き、やることをMUST、WANT、MAY、NOTの4つに分けて整理し、このあと説明する取扱説明書に合わせて取り組んでいきます。
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時間管理のマトリクスとは
時間管理のマトリクスは、やることの優先順位を「緊急度」と「重要度」の二つのものさしで決める考え方です。世界的なベストセラー『7つの習慣』の中で紹介されています。
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緊急度の高さは、期限が決まっているものや、すぐに対応しなければいけないものを指します。「電話が鳴っているので出る」「明日の会議までに資料を作成する」といったことです。
重要度の高さは、目標達成への影響力で決まります。「スキルアップのために勉強する」「業務の計画や準備」「改善に向けた振り返り」など、長期的な成果のために大きな効果を発揮することです。
成果を上げるために注力すべきなのは、重要度が高い仕事です。しかし、すぐ対応しなければいけないため、緊急度の高い仕事の優先順位が上がってしまいがちでもあります。
緊急度が高い仕事の中にも、重要度が低い仕事はあります。それを見つけ出し、重要度が高い仕事に注力できるようにすることが、時間管理のマトリクスの目的です。
時間管理のマトリクスの取扱説明書
時間管理のマトリクスを使って、やることを整理する方法を具体的にお伝えします。
まず、普段やっていること・これからやることを洗い出し、TO DOリストを作ります。次に緊急度と重要度によって、4つに分類していきます。
①「緊急度と重要度がともに高いもの」=MUST
②「緊急度は低いが、重要度が高いもの」=WANT
③「緊急度は高いが、重要度が低いもの」=MAY
④「緊急度も重要度も低いもの」=NOT
『7つの習慣』の中では、MUST・WANT・MAY・NOTとは呼ばれていませんが、分かりやすいように名前を付けています。
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①「緊急度と重要度がともに高いもの」=MUST
MUSTに当てはまるのは、納期の迫った仕事、クレームや事故対応などです。重要度も緊急度も高く、一番先に対応しなければいけません。
しかし、こういったことが頻繁に起きているのであれば、早めに着手することや、再発防止策を講じることなどで、仕事時間の中で占める割合を減らしていくことが必要です。
②「緊急度は低いが、重要度が高いもの」=WANT
『7つの習慣』の中で最も重要とされているのがこのWANTです。人間関係の構築や、業務の計画、振り返りなどが当てはまります。
期限がないので後回しにしてしまいがちですが、この領域に注力することで、成果が出やすくなります。そのためには③MAYと④NOTの時間を削る必要があります。
③「緊急度は高いが、重要度が低いもの」=MAY
MAYの領域には、電話やメール、打ち合わせなどが当てはまります。短期的な成果が出やすいので、重要度も高いと錯覚してしまいがちですが、長期的な成果にはつながっていないことも。
他の人に任せたり、なるべく短時間で終わらせたり、ものによっては無くしても問題ないこともあるかもしれません。
④「緊急度も重要度も低いもの」=NOT
NOTの領域は暇つぶし、移動時間や待ち時間などのムダな時間です。時間を決めておく、移動中や待ち時間でも仕事ができる工夫をする、などで削減することができます。
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重要度を判断する方法
時間管理のマトリクスを使って、やることを整理し、重要度が高い仕事に注力する方法をお伝えしました。
ただ、時間の使い方を振り返ろうとしても、どれが重要かを、いきなり自分だけで判断するのは難しいかもしれません。
まして、今までやっていたこと、やらなければいけないと思っていたことを「やらない」と決めるのは、勇気がいることです。
仕事に関しては、上司などに相談すれば解決することも多いでしょう。しかし、そう簡単にはいかない場面もあります。プライベートのことを、家族やパートナー、友達に相談して、アドバイスをくれたりはしても、最終的に自分の人生を決めるのは自分自身。
そんなときに有効なのがコーチングの活用です。コーチングとは、対話や質問を通し、その人自身の中にある気づきを導き出し、それによって自発的行動を促すコミュニケーション手法をいいます。
現在さまざまなコーチングサービスが展開されています。中でも私がおすすめしたいのが、女性向けキャリアスクールSHElikesのコーチングです。
SHElikesではWebデザイン、ライティング、マーケティングなどのスキルを学べるだけでなく、月に一度プロのコーチによるコーチングを受けられます。
SHElikesのコーチングの大きな特徴は「Want to~(したい)」を大切にしている点。コーチとの対話を通して目を向けるのは、固定概念や流行などの「Have to~(しなければならない)」ではなく、自分が本当にやりたいこと、心地よいと思うことです。
そこから自分の理想の姿を描き、それを実現させるための振り返りや、アクションを考えていきます。
コーチングを通して見つけた「理想の姿」を、重要度の軸として考えていくと、自分にとって納得感のある時間の使い方ができ、モチベーション高く取り組むことができます。
私自身、一年ほど前にSHElikesに入会し、毎月コーチングを受けています。その結果、本心での「Want to~」で考える力が身についたと感じています。
具体的にやりたいことがどんどん思い浮かぶようになり、不安や焦りにとらわれず、前向きに行動できるようになりました。今では、ライターになるという夢の実現に向けて、毎日楽しく取り組んでいます。
まとめ
時間の使い方を整理する考え方「時間管理のマトリクス」をご紹介しました。納得できる時間の使い方を見つけて、夢や目標の実現に向かって前進していきましょう!
参考:
『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』スティーブン・R・コヴィー キングベアー出版 2013年
本記事はSHElikesの受講生を対象とした「SHEライターコンペ」の応募作品です
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