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夢落ち
最近、夢見が悪い。
人を殺す夢を見る。
本当に生々しい感触で、起きたあとも殺したときの感じが手に残っている。
基本的にはナイフで刺すことが多いが、首を絞めたこともあった。
そして、最近ニュースを見ると、連続殺人の報道がされている。
夢と、殺され方が一致している。
もしかして、俺が殺人犯なんだろうか。
無意識に殺しているのだろうか。
恐怖によって眠れなくなる。
寝なければ、殺さないだろう。
3日寝ていない。
きつい。仕事にはどうにか行くが、オフィスワークのため眠気が辛い。
それでも人を殺さないため、眠れない。
今日はどうやって眠気を押し殺そうか。
しかし、ふっと寝てしまう。
ああ。
今日も誰かを殺すのだろうか。
でも、もうこの眠りにはあらがえない。
意識が落ちると、そこには見慣れた扉。
俺の家だ。
今日は殺人を犯さずに帰ってきたのだろうか?
——そこには、床で崩れ落ちるように眠る俺がいた。
夢の俺は、ナイフを持って、それを俺に振り下ろす。
ああ、俺は殺人犯ではなくて、ただ眠り込んだときに殺人犯の目線になっていただけなんだ。
そう安堵すると同時に、俺は目覚めることのない眠りにつくのであった。