秋刀魚寿司の材料を用意する(シンプル)~秋刀魚寿司を作る風守美女軍団~
――時間は朝。
――場所は風守の料理場
――風守の女達が集まっていた。
くノ一や、巫女スーツの女達、風守の守護者達がサンマ寿司を作っていた。
彼女達は蒼生を守護し、国敵を討滅する虚神を祀る者達だ。
虚神の在り方に従い、
様々な外敵に脅かされる日本を、脅威から少しでも守るためのお役目に赴くのだが。
「サンマ寿司を作りましょ」
今回はえらくほのぼのしたお役目だった。
「サンマ寿司を作り、それを日本人の皆様にお配りします」
彼女達、風守の女は「日本人に奉仕する」という命題がある。それを良しとする心がある。
これも日本人を守る虚神の在り方を踏襲しているといえるだろう。
「今回はサンマ寿司をお造りしよう。寿司だけに」
葉月が分かりにくい上に微妙なギャグをとばす。
「はい、そうですね。葉月さん」
スルーするアゲハ。
「あ、あの……今のはだな……えと……サンマの……その寿司とお造りをかけ、て……」
わたわたとギャグの解説をしようとする葉月。端的にいって見苦しい。
「あ、はい。面白かったですよわかっていますよ葉月さん。アゲハめは面白く思います」
綺麗に微笑むアゲハ。距離感のある微笑みだった。
「じゃあ葉月ちゃんが軽くスベッタ所で材料を確認するでござるよ~」
「今回ご用意したのは……」
くノ一達や巫女スーツの風守の女達が用意したサンマ寿司の材料を見渡す。
◎サンマ
◎ご飯
◎お酢
◎塩
今回の主な材料である。
ゆずの汁や昆布を用いる事もあるが、
今回はシンプルな作りにする方針だ。
「ビバ!!
サンマ寿司でござる!!」
「サンマ寿司は体にいいですからね。たくさん作りましょう」
「お疲れの方が多いですからね。できるだけ多くの日本の人達にお配りしましょう」
「疲れに効く感じでござるか?」
「さんま寿司は疲労の回復に良いのですよ」
「お酢が入っていますからね」
「ご飯につけるお酢は多めにしましょう」
巫女の守護者やくノ一達は相手の健康を考えていた。
「お酢は代謝を促進し、腸などの体内環境を整える効果がありますから」
「免疫力の向上にも役立つと思われます」
女達は頷く。ここは風守。日本人を守る虚神を祀る地である。
それに仕える立場の彼女達は、困窮している立場の者達に配るサンマ寿司を作ろうという場だった。
「こういった穏やかなお役目も大事だからな」
できるだけ体にいいものを、と栄養の事も考慮しているのは、風守の女らしかった。
日本の伝統料理である事も今回彼女達に与えられた課題である。
「日本の郷土を感じる一品です」
「ではおつくりしましょうか