只の日本人、サザエを食べる(茹でる、塩)
今日のご飯は……サザエ。
目の前にあるのは、大きな貝、海の幸――サザエ。
サザエは目に良い。
サザエは肝臓に良い。
サザエにはたんぱく質がある。
目の筋肉の凝りをほぐす。
肝臓に良い成分が入っている。
人間にとって大切なたんぱく質が多く含まれている。
サザエには角があった。
(潮の流れが早い所のサザエかもしれんな)
サザエは日本の広い範囲でとれるものだ。
角があるサザエと角がないサザエがある。潮の流れが早い海域だと流されないために、岩にとっかかるためにツノが大きくなるという説だ。
草薙の経験からも大きな相違はないように思えた。
(大きいな)
大きなサザエだ。いい海で育ったのだろう。だが……
(どう食べるか)
サザエをどう食べるか、それが問題だ。
「うーーん」
草薙悠弥、考える。
そして出た結論は……
(……茹るか)
シンプルだった。
(茹でて……塩で食う)
単純な食い方だった。
「よし」
◆
草薙は湯を沸かした。
「……」
(ここにサザエを入れるのか)
草薙、少しワクワク。
草薙、サザエを湯に入れる。
少し時間が経つと匂いが広がった。
(潮の匂い、だな)
海の匂いといっていいかもしれない。
草薙の好きな匂いだ。
時間が経つ。
草薙は箸でサザエを取り出した。
適当な椀にサザエをおくとカラン、と小気味いい音がなる。
サザエをさわる。
湯から出した後なので当然熱い。
草薙的には耐えられるが……
(少し待つか)
待つのも、それもまた良しである。
少し時間が経過。
微かに海の匂いが香る
(やはり……良い)
そう思いながらサザエをさわる。
(そろそろいいか)
サザエの身を取り出すため、手を伸ばす。
草薙はサザエを丸ごと取り出して食べるつもりである。
綺麗にサザエを取り出さないといけないのだ。
茹でた後だからか、微かにサザエのフタが空いている。
(丁寧に)
サザエのフタをつかみ……外側に押し出す。
(おっ)
いい感じに……とれそうだ。
そのまま、サザエを引っ張る。
(おぉっ)
スルゥっとサザエが全部綺麗にとれた。
少し気持ちいい。
サザエの全身は中々ボリュームがある。
後ろの方はグルグルとトグロを巻いた様な部分。
緑色だ、恐らくメスである。
これはキモ、肝臓のような部分にあたる。
基本、苦いので取り除いて食べる人も多い。だが
(これも全部食う)
食材をありがたく頂く、日本人草薙悠弥である。
貝の中に湯が溜まっていた。
飲んでみると少し塩味。
(海だなぁ)
少し嬉しい。
(何をつけるか)
サザエに合う調味料は多い。
醤油やみりん、バターなど。
少し悩んだ末、草薙は……
(塩にするか)
太古から存在するの調味料、塩。
サザエにあわせると自然な味になる。
草薙は取り出したサザエに塩をまぶした。
サザエの先の部分、後ろの部分にも塩をかける。
(うまそうだ)
塩をかけたサザエに、かぶりつく。
(うまい)
口に広がるサザエの味。
海の味が口いっぱいに広がった。
(いいな)
先の部分はボリュームのある貝、海を感じる味。後方の緑の部分は少し苦い。
だが――
それもまた良し。
塩が効いている。
海の中で豊潤に育ったサザエに塩。
自然の味感じる。
そして――完食。
サザエ。海の味。
(うまかった)
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