コーポレートブランディング#1「社名篇」
初めてのnote。新井と申します。普段はwebサイトやアプリの制作や、ムサビで講師をやってたりします。ちょっと自己紹介。
新井俊樹
アートディレクター / デザイナー / プランナー
1989年 東京生まれ
2011年 武蔵野美術大学デザイン情報学科卒業
株式会社ラナエクストラクティブ入社
2018年 武蔵野美術大学デザイン学科非常勤講師
2018年 株式会社ネル設立
worksはこちら→(https://www.instagram.com/)
独立することに
新卒で入社したデザイン事務所から独立し、デザイン会社を設立した。設立にあたり色々と大変なことはあったが、一番は悩んだのはこれ。
社名どうしよう
個人事業ではなく、会社化することにしたため、社名が必要になってしまった。ベンチャーを立ち上げた友人などに聞くと、社名は思いつきで決めている場合も多いようだが、自分の場合はデザイン事務所。ある意味センスを売り物にしているようなものなのに、社名がダサくては来る仕事も来なくなる。
こんな社名にしよう
・意味があり説明できる
・響きが良い
・ロゴデザインしやすい
・同業他社と被らない
そんな「仕事が来そうなセンスの社名」を考えるべく設定した条件は4つ。この条件を満たすため、ひたすら考えるのだが、ネーミング作業はデザインのようにPCや紙が必要なわけでもなく、いつでもどこでも考えられてしまう。通常の仕事のように締め切りもないため、約3ヶ月の間、電車移動中、入浴中、ありとあらゆる時間で、僕の脳は「社名」で埋め尽くされていった。
ボツ案
上の表はボツ案の一部。とにかくあらゆる方向から考え、量を出すようにしていたのだが、大きな壁が。
良いと思った言葉はめっちゃ被る
何しろ日本の株式会社だけで、400万社以上あるらしく、良さそうな言葉はほぼどこかの企業に使用されている。これは良い!と思いついた単語を検索すると、2〜3社ヒットしてしまうこともザラ。
ボツ案をいくつか紹介
思いついたときの「そうだ!」と飲み物のソーダを掛けた案。響きも良くビジュアルやグッズも作りやすそう。
ボツ理由 → 同名や近い名前のデザイン会社が何社かある。
「支点 … テコの原理で力を増幅させる点」
「視点 … 様々な視点をもつ」
「始点 … 何かを始める手助けをする」
という3つの意味がある。同業他社は存在しない。
ボツ理由 → 「支店」など関係ない漢字が先に浮かんでしまう。発音もしにくい。
「思案する」と、自分の好きな青色「シアン」を掛けた案。の、スペイン語表記。同業他社は存在しない。
ボツ理由 → 響きが少し固い。スペイン語表記にしている理由を説明できない。(英語だと同業他社が存在。)
「一皮向ける」から。いろいろなものの皮を向いているビジュアルが作りやすい。
ボツ理由 → 意味が弱すぎる。
。。。。。
良い言葉を思いついては被って落ち込み、被らない言葉を思いついてはしっくりこなくて結局落ち込む。そんな状態で決まらないまま3ヶ月ほど悩みつづけ、登記の期限も近づいてきたある日。ブラブラ買い物をしているときに突然頭にある単語がよぎる。
練る
「考えを練る」というコンセプトは、デザインだけではなく、企画などの「考える作業」をメインにしていきたい自分にとっては適した言葉。2文字の響きも社名としては珍しく、文字の形もきれいでビジュアル化しやすい。しかもNeru表記であればGoogle検索でも会社はヒットせず。多分「寝る」のほうを想起するので、避けられている気がするが、そこは聞かれたときのコミュニケーションにもなるので、プラスにできそう。
何よりこの3ヶ月、行ってきた事自体「練る」だったのではないか。そう思い、この言葉に決定。無事、登記も完了し、Neru inc.が誕生した。
次回はロゴデザインについて紹介します。