「人間」になりたい
妖怪人間ではないのだが、
時々心のなかで「ああ人間になりたい」とつぶやいてしまう。
きっかけはギヴンの「まるつけ」という曲を聴いたことだった。
僕らはどうかな 上手いこと
「人間」をできてるかな
そのフレーズを聴いてハッとした。
ああ私は毎日、一生懸命、「人間」になろうとしている。
ちゃんなれているか、いつも不安に思いながら。
隣人を愛し、弱き者は助ける。
社会を構成する一個人として、理性を持って、
周りと手を取り合う。
そんなことが「人間」の定義とされている気がする。
善良で優しく、賢い生き物。
他の生物にはない、理性を持ったイキモノ。
でも実際の私は、たくさんの欲望を飼いならせずにいる。
自分のことしか考えていない瞬間がたくさんある。
悪意を持ちだれかを意図的に傷つけようとすることもある。
ああ私はなんて「人間」とは程遠いイキモノだろう。
自分の心の薄暗く生臭い部分を見ると悲しくなる。
だから一生懸命真似をする。
周りにいる美しい「人間」の皆さんの真似をする。
社会を構成する「人間」の一員として、
はぐれないように。生きていけるように。
こんな心もとない気持ちを、「まるつけ」のあのワンフレーズで言葉にしてもらった気がした。
そして、歌によってそれを届けてもらったおかげで、「人間」になろうと足掻いているのは自分だけではないのだと気がついた。
みんなが背負っているのは綺麗な感情だけではないけれど、どうにか「人間」であろうとしている。
優しさや愛を誰かに渡すことができるイキモノであろうとしている。
「人間」として生きようとする姿は、きっと美しい。
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