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私のシェルター

「助けてくれ!!!」と心の中で叫びながら駆け込む場所がある。

本屋である。
日常の中でつもりつもったモヤモヤが、容量を超えて爆発しそうになったとき、わたしはよくそこへ行く。

前に”わたしにとって本が心の杖(支え)である”といったことを書いたが(「わたしの杖は、紙でできている」より)、本屋は”杖を売ってくれる場所”ということになる。

心がバキバキに折れているときに、「なにか答えはないか!!!」とすがるような気持ちで本屋に駆け込むのだ。

素晴らしい松葉杖が見つかる日もあれば、ドラクエで一番最初にもらえるようなヒノキの棒だったりすることもある。
(その本がヒノキの棒のような価値しかないというわけではなく、あくまでもその時のわたしの悩みにマッチしないという意味である。だれも怒らないで…。)

そして不思議なことに、どっぷり悩んでるときほどちょうどいいものが見つからないのだ。
それでもこりずに、苦しいときほど何冊も本を抱えて帰るということを繰り返している。

自分を客観的に見ると、きちんと自分の中に答えを探さずに、誰かに正解を出してもらおうとして本を買うからダメなのだと思う。
何事もアドバイスはもらえても、最終的な決定は自分にしかできない。
他力本願な姿勢では答えなど見つかるはずがないのだ。

そんな甘ったれた気持ちで買った何冊かの本も、時間をかけて自分を支える杖に変えられることがある。

積まれた本の高さに自分の不安と迷いを自覚し、落ち着いて自らの力で立ち上がろうとしたときに、それらがわたしを助けてくれるようになる。
“天は自ら助くる者を助く”とはこのことかもしれない。

これからもつらくて本屋に逃げ込むことはたくさんあるだろうが、本に助けを求めたとしても、自分の足で人生を歩むという意志は失わないようにしたいと思う。

#エッセイ #日記


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