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Day010 アジアで暮らすこと④屋台から元気をもらう
屋台といえば、日本では夏祭りなどの出店。たこ焼き、焼きそば、りんご飴・・・多種多様なお店が並び、大人子供、買う買わないに関わらず、胸躍る人も多いのでは。まさにいつもと違う、"特別"な高揚感が日本の屋台。
アジアの屋台は生活の一部。タイでは、こじんまりとした車輪を付けた移動販売も多く見かける。一日中エリアを回りながら、コーヒー、紅茶、袋入りのドリンクを売り歩いていたり、特定の場所に止めたままの屋台は、朝昼夕とそれぞれの時間になると、あたりにテーブルなども出して商いをしている。
どの時間帯を見ても、食事の時間はみんな元気。駅に出ると、朝ごはん用のパックを並べて売っているおじさんの朝、昼間は食後のデザートなのか、ビッグサイズの甘そうな飲み物を買って颯爽と歩く、日差しに負けない鮮やかなドレスのお姉さん。週末のショッピングエリアとの賑わいとは違う、平日の華やかさ、というものがある。
そして夜。バンコクは、いろんな意味で、この時間帯からが本番と言う人も多いかも。私も好きな夜がある。
日中身体を酷使した、仕事終わりの日雇い労働系の屈強な男性たちが、大勢屋台に並んで、焼き鳥と餅米、コンビニで買った瓶ビール。外で談笑しながら、労わりあう。
陽が暮れてくると、屋根のないテーブルが並ぶ歩道。ちょっと裏道に入ったここでは、会社の同僚たちや、家族が集まってきては、たくさんの料理を並べて、みんなでワイワイ賑やかな夕食。
中華街なんかもいい。夜になると一層賑やかになる表通りから少し入った、路地裏、お気に入りのジョーク(おかゆ)屋さんがある。おっちゃんが屋台の中心でおかゆを作る、おばちゃんがテーブル卓のお世話をする。そして、時々黙々と肉団子を作る娘(らしき人)。
川沿いで夕陽を見ながらビールを飲んだ後、ふらりと中華街へ向かう。道が在りすぎて、いつも見つからなそうで、ちゃんと見つけられるひとつ路地裏のジョーク屋さん。ここでふっと、一息つくときに贅沢を感じる。
言葉なんか通じなくても、いつも気を張らず、当たり前のように迎えてくれる屋台っていうところは、アジアのエネルギーの中心であると思う。
買おうが買うまいが、朝も昼も夕も、いつもここから元気をもらう、そんな場所。当たり前であるから有難く、普通だから特別な場所。
肌にあうってこういうことを言うんだな。
夜が好きといっておきながら、実は世界で一番好きな屋台は、ベトナム発、朝しか出ない幻のフォー。酔っぱらった次の日も、なんか心寂しくなったあの日も、このフォーのあたたかさに救われた。Tran Quoc Toan。
一度繋がったら、必ず覚えてくれている場所。また行きたいと思える場所が増える。アジアの魅力。
Stay Gold.,