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初代iMacのお話。

Appleの創業者といえばスティーブ・ジョブスですが、デザイナーのジョナサン・アイブはご存知でしょうか?

昔読んだAppleのプロダクトデザイナー、ジョナサン・アイブについての本に書かれていて印象的だった初代iMacのお話をしたいと思います。

ジョナサン・アイブは、初代のiMacのあたりから、ipod、iPad、iPhoneなどをデザインしてきたAppleの主要なデザイナーです。

僕は、大学院生の頃にiphone4を使い始めてから今までAppleの製品を使い続けてきました。Appleの製品は他の製品に比べてデザインが徹底されていて、UIも美しくミニマルにデザインされているのがとても魅力的だと思います。

Appleのデザイン理念やスティーブジョブス に憧れて、スティーブジョブスが亡くなった後に発売された伝記も読みましたが、経営者的な側面の内容も多く(もちろんその内容は偉大ですが)実際に製品をデザインしたデザイナーについての興味があり、ジョナサン・アイブについての本も読んでみました。

細かい内容は実際に読んでもらったほうが良いのですが、その中で初代iMacのお話を取り上げたいと思います。

初代iMacは家庭用のデスクトップとして、1998年に発売されたPCです。丸みを帯びた流線型の青い半透明の筐体が特徴的なデザインです。

(最近iPad ProとApple Pencilを手に入れて、うれしいのでイラストでお送りします。)

当時としてはかなり革新的なデザインで、機械であるはずのPCの無機的な部分を取り除き、非常に人間の感覚に訴えかけるようなものであったと思います。

この形についてジョナサン・アイブは、人間味のあるデザインというのを意識したそうです。

当時、コンピュータ業界の中での絶対的基準は、処理速度や容量などの性能でした。性能面については数字が大きい方がいいのは当たり前で、目に見える機能にこだわりすぎたものでは、人間味がなくて冷たいと感じていたそうです。

その絶対基準にフォーカスしすぎた製品を作ってしまっては、評価しにくい特徴や売り込みにくい品質が過小評価されてしまう。コンピュータ業界はプロダクトの感情に訴えかけるような目に見えない特質を見過ごしてきたと・・・

そこで、ジョナサン・アイブのデザインチームはユーザーがそれをどう感じるかを優先して「うれしい気持ちにしてくれるモノ」という議論の中ででた卵形のスケッチを元に初代iMacをデザインしたそうです。

また人間味のあるデザインという意味で特徴的なのは筐体の背面についたハンドルです。

iMacの背面上部、まるっこいフォルムがかわいい

このハンドルは、持ち歩くためのハンドルというより、触ってもらうためのハンドルだそうです。

人は、怖そうなモノには普通手を触れない。

当時、家庭用としてはまだまだ一般的ではなかったパソコン。ジョナサン・アイブの母親も怖がってパソコンには触れなかったそうです。そこで持ち手があれば人と機械(パソコン)は繋がれるんじゃないかと考えたそうです。

触ってもいいんだよ、という合図になると・・・

埋め込みハンドルを作るのにはすごく費用がかかったそうですが、ジョブスに見せるといいね!といって採用になったそうです。ジョブスは直感的にそれが重要なことだとわかっていたそうな・・・

ジョブスとジョナサン・アイブがデザインに関して同じ方向を向いて突き進んで行ったことがAppleのデザインをより洗練したものにしていったのかと思います。

僕が子供の頃、まだあまり家にパソコンがあるという人も少なく(うちは特に遅かった)パソコンは学校のパソコン室にしかないモノでした。パソコンは高価な精密機械というイメージと普段簡単に出入りできる場所ではない鍵のかかった特別教室にあるということは、パソコンは気軽には触れられないという感覚を子供に植え付けるには十分であったかと思います。パソコン室にハンドルのついたiMacが置いてあったら、確かに触ってみたくなるかもしれませんし、当時のパソコンに対するイメージも少しは変わったかもしれませんね。

最後に余談ですが、半透明の筐体の初代iMacが大ヒットするにつれて他の家電製品などで半透明製品が次々と発売されたそうです。

僕は当時、ニンテンドー64を持っていましたが、発売後しばらく経ってから買ったため、初期の黒いボディのものではなく、ブルーの半透明のものを持っていました。当時小学生か中学生になる頃だったと思いますが、半透明の筐体から見える内部の機械部分がすごくかっこいいなと思っていました。なんでも分解してしまうような分解少年というわけではなかったですが、男の子にとっては普段ブラックボックスとなっている電化製品の中の機械部分が見えることは、各パーツがなんの役割をしているかはわからなくとも、とてもワクワクするものだったと覚えています。

以上、ジョブスとジョナサン・アイブが作り出した初代iMacのお話でした。

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