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『サマスペ!』創作の舞台裏⑭
孤独な執筆の中にもささやかな楽しみがあります。
それについて書こうと思います。
ブラッシュアップの楽しみ
村上春樹さんは『職業としての小説家』の中で「とんかち仕事」と呼んでいます。文章を何度も読んでは書き直す作業のことです。
自分の書いた文章が、読みやすく、分かりやすく、意図が伝わりやすく
ブラッシュアップできた時は、とても嬉しいものです。
この『サマスペ!』の場合は
・PCでワープロソフトに打ち込む
・PCで推敲する
・noteにコピペする
・note画面で改行などレイアウトを整える
・写真やイラストを入れて調整する
・下書き状態で二度ほど読み直す
・スマホの画面で微修正する
(一文が長いと感じたらさらに改行する)
こんな工程を踏んでいます。その時に少しずつ小説が育っていくのが楽しいのです。
「伏線」と「回収」
ここに書くまでもないと思いますが、小説には伏線がとても重要で、序盤で書いておいたことが後半で回収されていくのが、醍醐味だったりします。
書いている作者(特にミステリの場合)にとって伏線を敷く場所や回収の仕方は腕の見せ所です。
こんなにあからさまに書いて気づかれないかな、とか考えながら工夫を凝らします。
それがうまく決まったときは快感です。
このサマスペはミステリではありませんが、そろそろ前半の複線が回収され始めています。気づいている方も多いのでは?
ちょっとした仕掛け(いたずら?)
伏線ほどではないのですが、読者が気づいてくれるといいな、と思って
さり気なく仕込んでおくことがあります。
分かる人には分かる、という情報です。その人にしか響かないのですが
気づいて、にやりと喜んでもらえたらいいな、と思って書くのです。
サマスペ! 九州縦断徒歩合宿 ⑮
に、悠介とアッコが人吉の観光協会を訪れるシーンがあります。そこにこんな一文があります。
壁一面に焼酎が並んでいる。くまモンのぬいぐるみの隣に、妙な目つきの太った招き猫がいた。
この一文、ただの描写だと思って読み進めてもらって構わないのですが、
『人吉、妙な目つきの猫』
これでピンとくる人がいると思います。
人吉はアニメ「夏目友人帳」のモデル地
妙な目つきの猫、というのはこのマンガに登場する「ニャンコ先生」のことです。
現地では人吉市と「夏目友人帳」の様々なコラボレーションが行われていて、最近はマンガのモデル地を周遊するタクシープランができたそうです。
詳しくはこちらをご覧ください。人吉を訪ねたくなりますよ。
「妙な目つきの猫」=「ニャンコ先生」ということは、あえて書きませんでした。
「夏目友人帳」のファンや、地元の人、人吉を訪れた人などに分かってもらえればそれで良い。そう思っています。
本当にささやかな、いたずらみたいなものですが、こんなことを楽しいと思いながら書いております。
ここで、読者の方からの声です。
完結してからまとめて読みたいんだけど
現在の所、毎週二回掲載をしています。このペースで行くと、ちょうど一カ月後に完結する予定です。しばしお待ちください。
これはミステリー?
青春エンタメ小説です(そのつもりで書いています)。殺人事件などは起こりません。それはまた別の機会に。
『サマスペ!』は熊本から宮崎を通り、ゴールの鹿児島に入ります。
まだまだ悠介たちには大変な事件が待っています。
引き続きお楽しみください。
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