ソイルの寿命についてお話します
プロジェクトソイルは、土の粒が崩れてきたら寿命となります。
ダメになったソイルは、全交換しなければなりません。おおよそ半年から1年が、交換の目安。
とはいえ、プロジェクトソイルの寿命がよくわからない、という人も多いはず。
交換しないで使っていたら、どんな問題が起きるのかも気になりますよね。
ぼんやりとしていて、よくわからずに使っていた人は、ぜひ参考にしてください。
プロジェクトソイルとは
プロジェクトフィルター(底面ろ過器)と一緒に使うことで、水をきれいにする土壌(低床)のことです。
セットしてすぐに生体を飼育できるのが、プロジェクトソイルの強みなのですよ。
その理由は、お魚と水草に適した弱酸性の水質を瞬時につくれるからです。
水道水には、カルシウムやマグネシウムなどミネラルが含まれます。お魚の排泄物や残った餌などからは、有害なアンモニウムが発生します。
プロジェクトソイルは、ミネラルやアンモニウムを磁石のように引き寄せます(吸着)。
つぎに、水質を酸性にする、水素イオンを水槽内に発生させます(イオン交換)。
これらの作用によって、クリーンで暮らしやすい環境(弱酸性の軟水)を実現できるのですよ。
ソイルの寿命とは
・物理的な寿命
物理的な寿命とは、ソイルの粒が潰れて砂状になることです。
半年くらい経つとソイルの粒は、底から崩れてきます。
水槽を横から見て、ソイルの粒を確認してください。泥状になったソイルと粒状のソイルで、地層のように、二つに分かれています。
ソイルの半分以上が泥っぽくなれば、そろそろ物理的な寿命がちかづいてきた、と判断できるのですよ。
・科学的な寿命
科学的な寿命とは、ソイルの吸着作用がなくなってくることです。
半年くらい経つと弱酸性の軟水にする効果が弱まり、水道水にちかい水質となってしまうのですよ。
また、コケも発生しやすくなります。
ソイルには、粘土鉱物とよばれる「アルミニウム」と「鉄」が含まれています。これらは、コケの発生原因であるリン酸とくっつき溶けださないようにします(不溶化)。
このリン酸を吸着する効果が、なくなるとコケが出やすくなります。
寿命がきたソイルを使い続けるデメリット
メリットはありません。
上述した「物理的な寿命」になっていなければ、使い続けることはできますよ。
なぜかというと、ソイルの粒に有益な微生物群が定着しているからです。
ソイルの粒が崩れていなければ、二ゴリの原因である雑菌を食べる原生生物から、猛毒のアンモニアを酸化させて弱毒化する硝化菌が活動できるのですよ。
硝化菌のろ過作用を維持できれば、水質悪化を防げるためソイルを使い続けることができます。
それでは、泥状になったソイルを使い続けた場合は、どうなるのでしょうか。
ソイルの粒は、潰れて泥状になると水を通す隙間がなくなってしまいます。バクテリアが活動できなくなるのですよ。
なぜなら水中の酸素をソイルに送ることができなくなり、アンモニアを弱毒化するバクテリア(硝化菌)が生きられなくなるからです。
泥状になったソイルでは、水草も根を張れなくなってしまいます。根腐れという症状が起きるようになり、水草が枯れてしまう原因となります。
泥状になったソイルは、有害物質を吸着したり、水質を維持したりする効果もありません。
有害なアンモニアを弱毒化するバクテリアも活動できないので、あたらしいソイルと交換しましょう。
まとめ
粒が崩れてしまうと、ソイル内に新鮮な酸素が供給されなくなります。
水をキレイにする微生物群も活動できなくなるのですよ。
藻類の栄養(リン酸)を吸着する力が劣化するので、うとましいコケも出やすくなります。
寿命がきたソイルを使い続けるとマイナス作用を生じます。ソイルが崩れていないか、粒の状態を確認しながら引き延ばしても、1年を目安に交換しましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。