プロジェクトフィルターとは
プロジェクトフィルターとは、ASP方式で使用している「底面フィルター」のことです。
ソイル専用の底面フィルターとして開発されたので、とてもユニークな構造をしているのが特徴です。
プロジェクトフィルターが、底面ろ過器として優れた能力を持っているのは長年使用してきて実感しています。
とはいえ、底面ろ過という仕組みは少しわかりにくいですよね。
わたしもアクアリウムを始めた初心者の頃は、よく理解していませんでした。
そこで今回は、以下のポイントを詳しく説明していきます。
この記事では、底面ろ過の仕組みを丁寧に解説して、プロジェクトフィルターの特徴から使い方まで詳しくお伝えします。
プロジェクトフィルターSとPSの違いもしっかりと理解できる内容になっていますよ。
そもそも底面ろ過とは
水槽の底にフィルター本体を設置し、その上にソイルや砂利を敷くろ過方式です。
底面ろ過のセット方法【図解】
⒈フィルター本体を水槽底に設置する
⒉ソイルや砂利をフィルター本体の上に敷く
⒊エアポンプや水中ポンプで水を循環させる
底面ろ過(バクテリア)の浄化条件
バクテリアが活動するには、条件が3つあります。
底面ろ過による浄化のメカニズム
酸素を含んだ水流を砂利に送ることで、バクテリアはアンモニアを硝酸塩に酸化し、水質が浄化されます。
底面ろ過のデメリット
物理的なろ過が苦手なことです。
金魚など水を汚しやすい魚種では、排泄物が底に溜まりやすくなります。
そのため、低床のゴミ詰まりを防ぐために、定期的な底掃除が必要です。
低床の通水性を保つことで、生物ろ過の効果が維持できるようになるのですよ。
プロジェクトフィルターとは
プロジェクトフィルターは、アンモニアを酸化して無害化するバクテリアの働きを最大化する底面ろ過フィルターです。
その理由は、独自の構造にあります。
U字型の丸パイプと組み合わさった格子状の底面板は、しっかりと低床に埋め込まれます。
パイプの側面には約1mm幅の縦線スリット(吸込み口)が設けられ、水流が砂利全体に行き渡るようになっています。
これにより、底面板の下に砂利が入り込んで目詰まりを起こし、嫌気層(酸素が届かない層)が発生するのを防げるからです。
従来の底面フィルターは板チョコのような形状で、スリット(吸い込み口)が上部に配置されています。
この構造では、底板が浮き上がると下に砂利が入りこみやすくなります。
つまり、目詰まりや嫌気層が発生しやすいという欠点があるのです。
その結果、汚れが溜まりやすくなり、雑菌の温床となる可能性も高まります。
プロジェクトフィルターは、従来型の底面フィルターの問題点を解決し、目詰まりを軽減することができます。
これにより、バクテリアの働きが最適化されるのですよ。
プロジェクトフィルターの効果
アクアリウムで重要なのは、効率的で安定したろ過環境をつくることです。
そのために開発されたプロジェクトフィルターは、専用ソイル(プロジェクトソイル)のろ過能力を最大限に引き出す設計となっています。
プロジェクトフィルターは、水槽底面全体から水流を均等に行き渡らせることができるからです。
その結果、以下のような効果が期待できます。
プロジェクトフィルターは、専用ソイルとの併用で、その効果を最大限に発揮できます。
ぜひ、この組み合わせをご活用ください。
エアリフト式(プロジェクトフィルターS)とは
プロジェクトフィルターSは、エアーポンプを使用して稼働する底面フィルターです。
このフィルターは、水槽内の水を循環させながら、バクテリアのろ過作用を最適化するように設計されています。
特徴と仕組み
⒈エアリフト式の循環
エアーポンプから送られる空気が透明なパイプ内を通ることで、水を引き上げ、底面板のスリットから水を吸い込みます。
これにより、低床全体に水流を発生させます。
⒉静音性
扇型の吐出口は取り外しが可能。
泡が小さくなる設計のため、音が静かです。
⒊目詰まり防止
格子状の底面板と筒状のパイプ構造により、目詰まりや嫌気層(酸素が行き届かない層)を防ぎます。
⒋穏やかな水流
強い水流が苦手なメダカなどの飼育に最適です。
使用時のポイント
⒈適切なエアーポンプを選ぶ
水槽サイズに合った吐出量のエアーポンプを使用してください。
パッケージ記載の「〇〇cm水槽用」を参考に選ぶと良いでしょう。
⒉低床材との併用
プロジェクトソイルや砂利を5~6㎝敷き詰めることで、ろ過能力を最大限に引き出せます。
水中ポンプ式(プロジェクトフィルターPS)とは
プロジェクトフィルターPSは、水中ポンプを使用して稼働する底面ろ過フィルターです。
インペラーを回転させて低床に強い水流を送り込み、静音性にも優れています。
特徴と仕組み
⒈低床に送り込む水流が強い
水中ポンプの力で、低床全体に均等かつ強い水流を送り込みます。
これにより、プロジェクトソイルの内部までしっかりと水が行き渡り、ろ過能力を最大限に引き出します。
⒉静音性
水中で稼働するため、音が吸収されて「ブクブク音」も発生しません。
そのため、エアリフト式よりも静かな動作環境がつくれます。
使用時のポイント
⒈インペラー部のメンテナンス
インペラー部(プロペラ)に、ソイルのカスが詰まると流量が低下するので、定期的な掃除が必要です。
インペラーの洗浄時には、お湯ではなく水で洗ってください。
磁石部分に塗られている潤滑剤が、お湯によって変質したり剥離してりするからです。
⒉酸素供給の工夫
吐き出し口を水面より少し上に配置しましょう。
水面が揺れ、空気中の酸素が水中に溶け込みやすくなるからです。
※エアレーション(ブクブク)ほどの効果は得られません。
⒊高水温対策
水中ポンプは熱を発生させるため、水温が上昇しやすくなります。
そのため、夏場はエアレーション(ブクブク)を併用するのがおすすめです。
夏場の水温上昇は、溶存酸素量が減少し、魚にストレスを与える可能性があります。
ブクブクの併用で溶存酸素量を増やし、高水温による影響を軽減しましょう。
⒋低床材との併用
プロジェクトソイルや砂利を5~6㎝(厚すぎると通水性が悪化する)の厚さで、均等に敷き詰めましょう。
水流が均一になりろ過効力が向上します。
おわりに
当店では、プロジェクトフィルターを全水槽に使用しています。
低床(ろ過材)はプロジェクトソイルだけではなく、砂利も活用していますよ。
プロジェクトフィルターに興味をもっていただき、気になることや疑問があれば、インスグラムのDMでお問い合わせください。