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白にごりの原因と対策【発生パターンは3つ】

今まで透明だった水が、突然ドーンと白くにごった経験はありませんか。

そんなとき、何をどうしたらいいのか。原因がわからないと悩んでしまいますよね。

お店でも相談をうける機会が多い、白にごり問題。
今回の記事では、白にごりの発生パターンを3つに分けて、それぞれ解説していきます。

白にごりは、気分もしずんでしまいます。この記事を参考に、ほっと一安心できる解決策を導き、お役に立てられれば幸いです。


白にごりとは

立ち上げたばかりの水槽

お水が透き通らず、もやもやした感じ。うっすらと白っぽい状態のことをいいます。

飼育を開始したときに白にごりが起きるのは、しかたありません。とはいえ、しばらく経過した水槽でも発生します。

それでは、白にごりの発生パターン別にお話をしていきます。

ずっと透明だった水が突然、白にごりした

排泄物や餌が多く余ったとき、分解する微生物が一気に集まることで発生します。

にごりの正体は、従属栄養細菌とよばれるバクテリア。
このバクテリアたちが大量発生しているから、水が白く見えるのですよ。

従属栄養細菌とは、お魚の餌や排泄物を食べるように分解して、フン(アンモニア)を出すバクテリア。 
有機物(食べ残した餌、排泄物など)が多いと、増殖をしながら分解を続けていきます。

排泄物や餌が多いと、有機物の分解にバクテリアが追いつかないので白にごりが発生してしまうのですよ。

考えられる原因は、5つあります
・餌が多かった
・汚れやすい餌を与えた
・死魚が残っていた
・水温が30度ちかくになった
・フィルターのろ材を洗った

・餌が多かった

底に残らないように給餌量を調節しましょう。食べ残しは、見えにくい場所にもあるからです。

たとえば、レイアウトで流木や石、飾り物などを入れてる場合は、隙間(底)に入り込んで腐敗してしまうこともあります。

掃除方法として、レイアウト品を一旦どかし、舞った食べ残しは目の細かい網などでキャッチして取り出しましょう。

・汚れやすい餌を与えた

冷凍フード(生餌)、練り餌などは水を汚しやすいです。

なぜなら、成分がとろけるように溶解してしまうので液状化した食べ残しが出てしまうからです。

人工餌は乾燥しているので、溶けにくいから汚れにくいのですよ。あげすぎだけ注意すれば、腐敗を防げます。

・死魚が残っていた

死魚も早めに水槽から取り出しましょう。

魚の体表や鰓にも細菌類は存在しているので分解が早く進むからです。

残酷な内容になりますが、お掃除役のエビが死魚を食べてしまった、という話を聞きます。とはいえ、腐敗を防ぐ観点からみると水質悪化を止めてくれたことになるでしょうか。

エビの数が少なければ、食べるのに時間もかかります。ですので、死魚はすぐに取り出すようにしましょう。

・水温が30度ちかくになった

水温が上がると溶存酸素量(水中の酸素濃度)
は少なくなります。

従属栄養細菌(バクテリア)は酸素を使って有機物(食べ残した餌、排泄物など)を分解するので、やりくりが追いつかなくなるからです。

もしエアレーション(ぶくぶく)をしていない場合は、酸素量を増やすためにも行うようにしましょう。

・フィルターのろ材を洗った

ろ材は水道水で洗った場合に問題が起きます。

なぜなら、塩素でバクテリアが殺菌されてしまうからです。

また、ろ材に定着しているバクテリアは、従属栄養細菌とは別物です。独立栄養細菌(硝化菌)とよばれる、アンモニアから硝酸塩まで分解するバクテリアがろ材をにくっついて活動しています。

そのため、アンモニアを分解する独立栄養細菌(硝化菌)が減ってしまうことで、従属栄養微生物の活動が目立ち白くにごってしまうのですよ。

水槽をセットしたときに、白にごりした

お魚の餌や排泄物を食べるように分解して、フン(アンモニア)を出す従属栄養細菌(バクテリア)しか居ないのが原因です。

セットしたばかりの水槽には、アンモニアから硝酸塩まで分解する独立栄養細菌(硝化菌)が居ません。
従属栄養細菌(バクテリア)だけの支配圏が広がるから、白く見えるのですよ。

つまり、独立栄養細菌(硝化菌)が定着し、増えてくれば白にごりはおさまってきます。繁殖力が乏しく、増殖スピードは従属栄養細菌の1/10といわれています。

独立栄養細菌(硝化菌)の定着が落ち着くには、約1ヶ月かかると考えておくと良いでしょう。

・独立栄養細菌(硝化菌)の定着にはろ材が必要

独立栄養細菌(硝化菌)は、浮き草のように漂っているバクテリアです。このバクテリアを増殖させていくには、従属栄養細菌とろ材(住処)が必要になります。

独立栄養細菌(硝化菌)は、従属栄養細菌が作り出すヌメリ(バイオフィルム)にくっつくことで定着し、増殖をします。

ろ材とは独立栄養細菌(硝化菌)を効率よく増やすためにバイオフィルムがつきやすく、はがれにくい形状を考え作られました。そのため、独立栄養細菌(硝化菌)の住処といわれます。

独立栄養細菌(硝化菌)が定着するろ材がないと、水換えをするたびに流してしまいます。
フィルターのろ過層には、かならずろ材をセットしましょう。

白くにごりながら、ドブ臭いニオイもする

有機物(食べ残した餌、排泄物など)が、大量に残っているのが原因です。

有機物を分解する従属栄養細菌(バクテリア)は、水中の酸素を使い切ると活動を停止します。
ここで、まだ有機物が残っていると、酸素を使わずに分解をおこなう嫌気性細菌が活動をはじめます。

嫌気性細菌も有機物を分解(嫌気分解とよばれる)するもののの、腐敗臭(メタンチオールなど)を排出していきます。このため、水槽からはドブ臭いニオイがしてしまうのですよ。

白にごりから悪臭発生まで、微生物が行う分解(好気分解と嫌気分解)サイクルで起きることをお伝えしました。
臭いニオイを伴う白にごりは、餌をあげすぎてしまい腐らせてしまった、ということになります。

まとめ

白にごりは従属栄養細菌(バクテリア)と独立栄養細菌(硝化菌)とのバランス(生存競争)で起こります。

順調な水槽は、アンモニアを硝酸塩まで分解する独立栄養細菌(硝化菌)が定着しています。
従属栄養細菌の支配圏は、自然と減少していくので白にごりがなくなってくるはずですよ。


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