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ストレスが数値化できるようになってた話:PSWの福祉コラム

PSWライター兼一児の母、りくとんです。ちょっと先日いった町の牛乳工場秋祭りで体験した『ストレスチェック』について紹介させてください。今回はツールとエピソードの紹介が主ですが、最後の方でストレスコントロールについても言及しています。(一本で終わる代わりにいつもより長めです)

唾液でストレスチェックができる時代

皆さん、ストレスと言うとどのように数値化すると思いますか?やはり、「眠れてますか?」「食欲はありますか?」と言った質問に答えていく形式のものを想像されるのではないでしょうか。

私も、ストレスチェックと言えば(受ける方も検査する方にしても)アンケートの結果からストレスを調べるものだと思っていました。

ところが今回私が受けたストレスチェックは、『唾液内のアミラーゼ活性からストレスをチェックする』というもの。こちら医科大学看護科が行っていた健康診断ブースに用意されておりまして、子供がキッズブースで遊んでいるのをいいことに特急で体験してみることにしたのです。

楽しそう!いざストレスチェック実践。

身体的に現れるストレス数値なんてやったことありませんでしたから、これはやってみなければ!!と喜び勇んで私ブースにダッシュしました。

やり方は至って簡単で、30秒間試験紙を口に含んで唾液採取し、その用紙を専用の機械に掛け20秒ほど解析するだけ。検査結果は数値として表示されます。0~30は「ない」、31~45は「ややある」、46~60は「ある」61~は「かなりある」とのこと。

そしてその結果はこちら。ばばん。

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えっ…?ストレスフル…???

友人がストレス値5というストレスフリーな数値を叩き出す一方で、私?え、137?3桁??え???正直開いた口が塞がりませんでした。(右が私です)

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自分ではストレスの自覚なし

いくらセルフコントロールが得意な私とはいえ、ストレスが全くないわけではありません。もちろん少しばかりの数値は出るだろう…そう思っていましたが、まさかの、まさかの3桁。61以上の数値は高ストレスに分類されるという中、137というハイスコア。2倍以上!これは酷い!

落ち着いて考えましょう。機械が弾き出したこの数値に嘘はないでしょう…だがしかし、ストレスにさらされている自覚が全くありません。確かに主人は仕事で忙しく、子育ては私の逞しい両肩にかかっております。でも仕事は主人のお店をちょっと手伝うくらいですし、子供との関係は良好、お祭りで肉食べて公園で走り回り、ワーカーとしては働いていないにしろ友達の話を聞いたりオンラインで知識を活かしたり程々自己承認欲も満たせています。

つまりこのストレス値が本当なら、私のセルコントロールはこれだけ自己評価高くても「うまくいってない」ということ。セルフコントロール大失敗、隠れストレスフル。いつ爆発するかわからない不発弾。このnoteで『こんな考え方、いいよ☆』なんていってる場合じゃありません。自分という死人が出る前に一度考え直せってことではありませんか。

でもすぐに現実を受け入れられなかった私は、友達とひとしきり自らの数値を爆笑した後、遊んでいた子供を捕獲しもう一度ストレスチェックに出かけたのでした(ストレスを認めないスタイル)

いざ再トライ!叩き出した数値は?

結果からみましょう。ばん!

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やったぁーー無罪!!!一転無罪です!!!勝ち取りましたノンストレス数値!!!天と地ほどの差が出ています!なんということでしょう私ストレスなーい!!!フゥ!

…大丈夫です、今から落ち着きます。

では改めて、どうしてこんなことが起きたの?って話に戻していきましょう。ここからは、唾液内のアミラーゼを測るこのシステム、そもそもどうしてストレス尺度に使えるの?って話をしていきたいと思います。

検査キットの紹介

さて、まずは今回使用された検査キットについて紹介します。

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今回、地元の看護大学が使っていた検査キットは「ニプロ唾液アミラーゼモニター」でした。この手の検査キットにしては意外と安いんですね。

この唾液アミラーゼモニターは、『試験紙についた唾液のアミラーゼ含有量を唾液1リットルあたりに換算して表示』してくれるのですが、あくまで『唾液内のアミラーゼ含有量を示すだけである』というのがミソなのであります。

アミラーゼは交感神経興奮と比例する

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こちらの画像は、ストレス測定の結果用紙に使用されていた画像のフルバージョン。ニプロの検査キットの商品説明に付いている画像です。交感神経が刺激されると、なんやかんやあって唾液内のアミラーゼの活性が高まるんやで、と書かれています。

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ちなみに、アミラーゼ活性は、「テストを受ける」などの単純作業でも高まります。(こちらも商品説明画像から持ってきました、気になる方は各画像に商品リンク貼ってますのでご確認くださいね)

つまり、「交感神経が興奮してさえいれば、その理由がなんであれアミラーゼ活性は上が」り、「前後の状況によっては数値に変化が起きてしまう」可能性が高いということがわかります。

さて、私はその時何をした?

さてさて、話を戻します。1回目、私がストレスチェックを受ける時の話です。私、このように書いていました。

身体的に現れるストレス数値なんてやったことありませんでしたから、これはやってみなければ!!と喜び勇んで私ブースにダッシュしました。

『私ブースにダッシュしました』

走っとるやん!!!!!

そうです、これは比喩でもなんでもなかったのです。本当に、『草滑り会場を駆け下りて広場を突っ切って走り、友達のいるところでストレスチェックブーズの存在を聞きその足で現地迄走って』行ってたんです。これ結構強めの運動強度です。

ちなみに私の前に順番待ちで並んでいた方は3名ほど。各1分ほど検査にかかりますから、私の唾液はダッシュ後3分で採取されたものとなります。そりゃ身体的ストレスかかってますよ。ストレスフルですよ。ってことは2回目のほどほどゆったり数値の方が私の本来のストレス値だということです。なんだノンストレス人間です。無罪確定。よかったー。

ストレスチェックは「自分的リラックス」時に

はい、ふざけてないでまとめていきます。

自分の「通常時のストレス度」をこの検査で知りたいなら、運動直後や子供を探し回ったあとなどの緊張状態で行ってはいけません。当たり前ですが、動き回る、子供を見落とすまいと集中して探す行為が交感神経を亢進させるからですね。

例えば椅子に座って、ちょっと景色を見て、気持ちを落ち着けてからストレスチェックを受けるようにすれば、自分本来のストレス値が出るはずです。「通常時のストレス度が高い」場合、例えちょっとやそっと座って休んだからって交感神経の興奮はすぐには収まりません。ストレスにいつでも対処できる状態…臨戦態勢な時は、例え安静時であっても交感神経が優位。「アミラーゼ活性」は見られるというわけですね。リラックス時のアミラーゼ活性を見ることで、その方の副交感神経へのスイッチ難易度がわかる、というのがこの検査なのでしょう。

交副交感神経にスイッチしてリラックスを作る

最後に、この検査をもとに「ストレスコントロール」について考察したいと思います。

今回マーカーが示したのは交感神経の興奮度。交感神経は、「興奮」「ストレス」「緊張」状態の時に亢進する神経です。一方で、交感神経とスイッチして働く副交感神経は、「リラックス」「休息」状態の時に亢進します。交感神経、副交感神経は「自律神経」ですので、基本的には外部からの直接的な影響は受けず、勝手に自律して動いています。(作為的に動かせないからストレスマーカーにも使えるわけですね)

ただ、比較的容易に外因子から「副交感神経、動けっ!」と働きかけることは可能です。実は「食べ物の消化行動」は副交感神経が担当しているため、「食事をすること」「水を飲むこと」で強制的に副交感神経に働きかけることが可能となります。

ですから、「疲れたからちょっとお菓子食べよ。」「緊張するから水でも飲もう。」は実は理にかなった行為。無意識ながら、『副交感神経を人為的に亢進させる』行動をしていたというわけです。

ちなみに、ストレス数値5の友人の行動は、まさに理想的でした。ストレスチェック直前、お祭り屋台のご飯を食べて、のんびりと遊ぶ我が子を眺め、ママ友と話し…まさに理想的な副交感神経亢進を促す行動。見習います。

それにしたって、『美味しいもの食べてボーっとしたらストレスなんてなくなっちゃうよ!』理論が町の秋祭りで証明されるとは思ってもみなかったりくとんでした。

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りくとん@PSWなママライター
駆け出しライター「りくとん」です。諸事情で居住エリアでのPSW活動ができなくなってしまいましたが、オンラインPSWとして頑張りたいと思います。皆様のサポート、どうぞよろしくお願いします!