一神教と戦争
キリスト教代表橋爪氏VSイスラーム代表中田氏による討論本。これ1冊にまとまったのすごいですね案件。
一神教と戦争、というタイトルから想像されるほど戦争の話はしてなくて、どっちかっていうとそれぞれの宗教に於ける主権のありかとか、国家に対するスタンスとかがメインのテーマになってて、その延長に「戦争」っていう議題がある、という感じの本でした。
ひとつに議題に対してキリスト社会とイスラム社会の立場を、それぞれが説明していくんだけど、「共著、むりじゃない?」って読んでて心配になるくらいバチバチぶつかってて笑った。
こういう現代の宗教理解の本を読むと、キリスト教もイスラームも宗教の誕生から千数百年経って、理論武装重ねまくってこじらせちゃってるなあって思います。
著者の2人はお互いの宗教社会を代表する論客として討論をしてるけども、実際にはどっちの聖地からも遠く離れた日本での理解じゃない?それでこんだけ見事に相容れなさが露呈するんだから、まさに宗教と宗教が入り乱れてぶつかりあう地域で、相互理解なんてありえないんじゃないかなあ……
そういえば宗教戦争の話題になると、この本に限らずあっちこっちで「スイス人傭兵のやばさ」みたいな話がちょいちょい出てきて面白い。
「アルプス山脈をひょいひょい歩き回って育った強靭な肉体」ていうフィジカル面での評価しか読んだことがなかったんだけど、この本でスイス人傭兵の具体的な戦法が書いてあったので引用します。
スイス人傭兵隊の戦法はどういうものかと言うと、パイクという物干し竿のように長い槍を持って、マスケット銃を持つ兵士と組み合わせます。マスケット銃は、一発撃つと、弾込めに三分ぐらいかかります。その間、突っ立って、作業をしなければならない。三分あるので、敵の騎兵が襲ってきてやられてしまいます。そこで、弾込めをしている間、パイク兵がいがぐりのように槍を周囲に突き出し、騎兵の来襲を阻止します。そうすることで、火砲の威力を最大限に発揮する集団戦法を編み出しました。
強靭な肉体と火砲の組み合わせ、おっかなすぎるだろwwwww
歴史って「どこの国とどこの国が戦争してどこの国が勝ちました」みたいな結果だけの羅列見てもぜーーーーーーーーーーーーんぜんクソも面白くないけど、こういう具体的な戦い方の説明されると生々しくて面白さいっきに高まる。
昔なんかの戦法解説書みたいな本買った気がする。読んだ覚えがない。どこにあるんだろ…。
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