気持ちいい本
感動して涙したいわけじゃない。人の死や恐怖に震えたいわけでもない。美しい景色や人間関係にほっこりしたいわけでもない。
ガッときてビューンてなってヨッシャー!って終わってほしい。
そんな欲求に応える、ストレスフリーで読後感が気持ちいい本を紹介したいと思います。
このリストの目的は、このリストにない他の【気持ちいい本】について情報を集めることです。あなたがもしこのリストに連なるような【気持ちいい本】をご存知でしたら、是非twitterやコメント等でご教授ください。
↓をご覧いただければ分かるとおり、ジャンルは問いません。
コン・ティキ号探検記
いかだで太平洋を渡った男たちの冒険記。首謀者でありコン・ティキ号の船長でもある著者の自叙伝というスタイルです。
戦後まもないアメリカから話が始まり、パーティメンバーを揃え、国内外の軍人や官僚の協力を得て計画を進めていくこの段階でもうすでに気持ちいい。古き良きアメリカって感じで、出てくる人全員懐がクソでかい。
海の上の冒険譚は言うまでもなく、壮大な旅の終わりに相応しい到着シーンがまじで最高。あらゆる旅の終わりは全てこうあってほしい。旅の終わりの理想のかたち。
個人的には無線愛好家とのやりとりがめちゃ好き。久しぶりに無線通じたときの「い、いきとったんかワレ〜〜〜〜!」のテンションめちゃいい。
波よ聞いてくれ
2020年4月現在7巻まで出ているマンガです。終わってません。
あらすじとしては【男に金を持ち逃げされたスープカレー店アルバイト勤務の女が地方FM局のMCとしてデビューする】って話。でも、この女がクッッッッッッッッッソ面白くて、ストーリーとかもはやどうでもいい。
女があまりにも面白いので、これももはやどうでもいい情報のひとつなんですけど、舞台が札幌。内装がyellowに激似のスープカレー屋とか、円山の裏参道まつりとか出てきます。
終始この女がぶっちぎっており、気持ちよさしかない。最高。
われらはレギオン
全3巻のSF小説。なんやかんやあって死後なぜかAIとして新しい人生を歩む羽目になったボブ(クソオタク)がどちゃくそお仕事する話。
ボブのお仕事は多岐に渡るので、自分の複製をたくさん作りながらそれぞれの自分たちに各所のお仕事を任せます。最終的に何人になるんだったかな、もう忘れちゃった。とにかく思い出せないくらい大量のボブたちが、宇宙全域に散らばって人類の未来のために(たまに自分の好奇心を満たすために)働きます。
登場人物のほぼ全てがボブという異色の小説ですが、よく働く主人公は読んでいて気持ちいいのでオススメです。
火星の人
働き者の主人公といえばマーク・ワトニー。火星に1人取り残された男のサバイバルSF小説。映画よりも湿度が低く、ユーモアに富んで、余計な展開が無いので、小説のほうがめちゃくちゃオススメです。
取り残された主人公も、取り残すことになってしまった他クルーも、地球から支援するNASA職員も、全員めちゃくちゃ有能ですげえ気持ちいい。
ラストもすごくよくて、嗅覚に関する話題が一瞬出てくる場面があって、話の本筋に全然関係ないその一節があるおかげで生々しさがすごい。
スペース金融道
借金取り立てSF小説。相手はアンドロイド、場所は宇宙。破滅的な上司と、やっかいな債権回収をさせられる主人公の、ブラックユーモア溢れる会話が面白いです。
ストーリーのコアにある未来の金融工学の理論は、何度読んでも全然わかんないんですけど、金融工学が分からなくてもまったく問題ありません。連作の短編集というかたちになっているので、全体的にスピード感があり読みやすいお話です。
哀愁の街に霧が降るのだ
著者の青春期の回顧録と、現在進行系のエッセイが入り乱れる、自叙伝というのか私小説というのかエッセイというのか、相応しいカテゴライズが見つからないハチャメチャに面白い本です。
回顧録の中心を成すのは、『克美荘』というおんぼろアパートで共同生活をしていた1960年頃のエピソード。酒豪・穀潰し・乱暴者といったひとたちの送る極貧共同生活が、面白くないわけがありません。当時の社会性も相まって、違法の程度もぶっちぎってる。最高。
各エピソードの背後には、右肩上がりだった頃の日本の威勢の良さとか、懐のデカさみたいなものも感じられて、読むだけでさっぱりする不思議な本です。
天使なんかじゃない
冴島翠という人間は、希望であると、私は思います。
絶対にああは生きられないけど、でも、あんなふうに生きられたらなって思う。思わない?思うでしょ??マミリンの「私も冴島翠みたいになりたい」に100万回いいねしたでしょ!!!?!???
一家に一台、冴島翠。
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