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伊藤志宏 symposium ensemble -day2-

ここ最近、年末恒例の自分的イベントは渋谷のJzBratへ行くこと。そのお店の年末恒例のイベントはピアニスト伊藤志宏氏の毎年の集大成である大編成アンサンブル。これを聴かないと1年は終われない、といっても過言ではないくらいに素晴らしいサウンドなのである。

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まぁしょっぱなから高橋誠さんとmaikoさんの掛け合いに圧倒されていたのですが、なんて言えばいいのか・・・。技の見せ合いじゃなくてもう、秒ズレたら総崩れになるんじゃないかと思うくらいで。誠さんがすぱっと斬ってくるとmaikoさんが細身幅の刀で高速で返してくるかのような二人の掛け合い。

Per岡部さんと大儀見さんの分厚いPerサウンドもそう。3celloの平山織絵さん、島津由美さん、井上真那美さんの3名が奏でる中低音弦の分厚さ。とにかくマスター伊藤志宏氏はいったいこのアレンジをいつやってるんだと思うくらいに音が重厚なのである。さすが、平然としている太田朱美さんの隣で緊張の面持ちでいる北田学さんから出てくるこれまた「厚い」バスクラリネットの音が響き渡るのもまた心地よい。以前は会場を練り歩いてくれてこれが楽しかったのだがさすがに今年はそれは無理だったにも関わらず、学氏メインの曲が用意されていたのは嬉しい。もちろん「語るトロンボーン」中路英明さんも健在。いや、歌うかな・・・。聞いてて他の楽器のプレイヤーの「歌う」とは別の次元の音だと思っているわけで・・。

井上真那美さんのソロが素晴らしかった。彼女自身のリーダー作品をリリースしたばかりで、バンマス曰く「スカーレット真那美」と呼ばれるそのドレスは真紅。細い腕で奏でられるメロディはどこか幻想的で、そして赤いドレスがメンバーが12人ということもありついつい血をイメージしてしまうのは気のせいだろうか。

バンマス曰く今度は拍手しやすい曲を書く、なんてことを言っていたのだが、正直なところこのサウンドに圧倒されて拍手を忘れてしまっているのが実態なんじゃなかろうか、と思う。行川さをりさん、名嘉真祈子さんの声がどこか幻想的に響いていてどこか聞いている人の血そのものに響いているんだという気がしてならない。

この最強の十二人を従えたサウンド。また聴ければ嬉しい。



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