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堀口恭司さんのベラトールタイトル戦の見方 チャンピオン対キング 堀口さんへの敬意で与太話のキレが悪いの巻

現地時間の12月3日に堀口恭司選手がベラトールバンタム級王者を賭けて王者セルジオペティスに挑みます。2021年堀口恭司の1試合目で2021年の最後になるであろう試合です。UーNEXTがベラトールの2年間放送を発表した第一陣が堀口さんの試合であり、堀口さんありきの放送契約の締結でしょう。

今回のチャンピオンシップは元々は堀口さんが王者として保持していたベルトを膝の故障による長期欠場により返上した経緯もあってか、挑戦と表記するのが適切な表現であるのかどうかと言われると難しいところではあるのですが、挑戦者としてチャンピオンに挑む試合という意味では挑戦なのでしょう。チャンピオン対キングが適切な表現だと僕は思います。

アメリカメジャータイトルを獲得の難しさと格闘技の格

日本人がアメリカのメジャータイトルを獲得することの難しさは僕が身を持って知っています。僕は2010年にギルバートメレンデスの持つストライクフォース王座のベルトに挑みました。ご存知の通りで木っ端微塵に打ち砕かれました。到底超えることはできないのではないかと感じるほどの壁を感じました。自分自身が体験してきたからこそ堀口さんの凄さがよくわかります。

格闘技は『格』が大事だと思っています。
僕は格上の選手には年齢関係なく格上の選手として接します。堀口さんや那須川天心さんに対して、僕は格上だと感じているので敬語を使って丁寧にお話しさせてもらいます。年齢や立場を関係なく人と接している印象の強い青木真也のキャラと違うのではないかと思う方もいるのですが、選手としての格を大事にしているからですし、僕は僕なりに弁えているつもりです。年齢関係なく凄い人は凄いし、ダメなヤツはダメです。年功序列と先輩文化が色濃く残る日本格闘技では年齢が上なだけで上のように振る舞う文化も確かに存在します。僕が大事にしているのはその人がどれだけ真剣にどれだけのことをやってきたかなのです。

堀口恭司以外は挑戦失敗の現実

日本人アメリカメジャータイトル挑戦の思い浮かんだところすべてを書き出してみます。堀口恭司以外は全選手が敗戦して王座獲得に失敗しています。ただ堀口恭司だけは違うのです。唯一の王座戴冠。下記試合の名前を見て貰えば、お分かり頂けるとは思うのですが偉業といって差し支えないです。

2002年3月22日 UFC  ⚫️桜井マッハ速人対マットヒューズ
2003年11月2日 UFC ⚫️宇野薫対BJペン  
2010年4月17日 ストライクフォース ⚫️青木真也対ギルバートメレンデス
2011年4月9日 ストライクフォース ⚫️川尻達也対ギルバートメレンデス 
2011年8月27日 UFC ⚫️岡見勇信対アンデウソンシウバ

2015年4月25日 UFC ⚫️堀口恭司対デメトリウスジョンソン 
2019年6月14日 ベラトール ⚪️堀口恭司対ダリオンコールドウェル

日本人がアメリカでメジャータイトルを狙うのは並大抵のことではありません。当然のことですが、アメリカの団体であればアメリカ人王者を求めます。アメリカの団体であればアメリカ人王者やその他の地域のマーケットに強い地域の王者がファイトビジネスとしては正解です。日本市場はそもそもの人口が少ない上に文化や言葉の壁があるので、わざわざ日本人ありきのマッチマイクをされません。ずっと他流試合をさせられてきたのであって、自流試合に持ち込めた選手はいないのです。それを堀口恭司は成しているわけで堀口さんもマネジメントサイドも天晴れだと思います。

堀口恭司は積み上げてチャンスをモノにして信頼を勝ち取ってきた。

タイ本土のムエタイではギャンブラーの信頼を勝ち取った選手が判定で優位に働くことがあるのですが、アメリカで日本人ありきのマッチマイクをされるにはファンとプロモーターの信頼を積み上げていくことの他に近道はないと思います。UFC、RIZIN、ベラトールとコツコツと積み上げて、チャンスをモノにしてきたからこそであって、堀口さんの偉大さは選手関係者であればあるほどわかるはずです。王として王者に挑むのですから。慧海に通用するアスリートは大谷翔平、井上尚弥、堀口恭司、那須川天心です。


さて今回の試合を青木真也が分析をしていきます。
勝敗予想と見所を青木真也の視点で記していきますが、堀口さんへの経緯もあってか与太話寄りではなく、真面目な仕上がりになっておりますのでご理解いただけますと幸いです。

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