おれたちは勝ちたかった。
悔しい。おれたちは勝ちたかったんだ。
何がなんでも勝ちたかった。勝ちたかったんだ。
試合後の控え室も、後楽園ホールからの帰り道も、家に帰った今も悔しい気持ちでいっぱいだ。できることは全てやった上での結果。それでも悔しいのが勝負だとしても悔しいにもほどがある。
宇野さんには僕の試合のときにはいつも助けてもらっている。
僕は宇野さんのサポートあって試合ができている部分は大きく、何よりも宇野さんと接する中で学ぶことが多く、僕がここ数年で調子を戻せたのも宇野さんのおかげである。人との接し方や歩き方を教えてもらった。僕は宇野さんのお陰で調和することを覚えたように思う。
僕が宇野さんからもらったものを返したくて、少しでも何かできないかと思っても、僕にできることは何もなく、僕ができるのは練習のお手伝いと試合のときに声を張るくらい。自分の無力さを感じる。僕が運命をいじれたら良いのに。
宇野さんは毎日のランニングとトレーニングを欠かさず、そこに格闘技の練習も入れて日々を積み上げている。努力の徹底だ。今日の試合のコンディションを見てもらえたら説明はいらないだろう。並大抵のことではないから。
年齢とか、レジェンドとか、生き様とか。それも十分にわかるよ。
宇野さんで人々が感情を揺さぶられるのはよくわかる。宇野薫の凄さは僕が一番知っている。主役はいつだって「宇野薫」。これまでも今もこれからも宇野薫が主役。宇野薫の凄さ、尊さはわかっている。今日だってあっぱれだよ。
でもそういうことじゃないんだよ。
今のおれたちには生き様とか感動したとかじゃないんだ。ありがたいんだけど、それは心に突き刺さる。痛い。おれたちは勝負をして、何がなんでも勝ちたかったんだ。勝ちたかったんだ。おれたちは勝ちたかった。そこに尽きる。勝ちたかった。
今日はこれ以上言葉が出てこない。ごめんなさい。
今日の宇野薫を明日からの力にしてくれたら嬉しいです。僕は今日の宇野薫を明日の青木真也に繋げていきます。まだまだ宇野薫を超えられない。
おれたちはファミリーだ。
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