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修斗の感想と判定の安定性といらない多様性。

修斗後楽園ホール大会を観戦してきました。
切符も売れているようだったし、会場も程よく盛り上がっていて、よかったです。
何よりも主催者が明るくなっているというか、やりがいを感じているように感じたので、こうしてイベントは良くなっていくんだなあと思うわけです。

何よりもメインを張った岡田選手に代表されるようにメインを張れる選手が揃ってきているのは大きいのでしょう。メインを張れる選手が1人では興行を年間で回していくには無理があるし、何人かメインを張れる選手が育ってきていることが興行の安定につながると考えています。その意味ではkー1のメインを張れる選手が数人いて、大会場の大会ではメインを張れる選手を集結させる手法はそりゃあ強いよなあと思うわけであります。

それでは試合を振り返りつつ、今大会で感じたことを書いていきます。

<環太平洋バンタム級選手権試合/5分3R>
岡田遼(日本)
Draw.1-1:29-27.27-29. 28-28
安藤達也(日本)

この試合は努力家と天才の対決のテーマでした。
安藤選手の才能に溺れて練習しないことが結果プロモーションになっている所に、矜持すら感じたし、練習にチョロっときて「脇腹痛いんで帰りまーす」みたいなゆるいところは嫌いではないです。自分がするかしないかはまた別の問題として。

適正に努力してるのであって、努力すりゃいい問題じゃないよね。

岡田選手を努力家と評する声は多々聞くのだけれども、努力家な印象は実はそこまでないのです。そもそも努力なんて、最低限当たり前の話だし、そんなレベルの低い話をしても仕方がないと思うんですよね。努力は最低限の話であって、して当たり前だし、しなくていいのであればそれに越したことはないのですよ。努力自体に価値は大してないし、練習しなくて勝てたらそれはそれで正解です。

岡田選手は努力の用法用量を守ってやっています。
皆が勘違いするのですが、やればやるだけいいことはなくて、必要なところに必要な量の力を注ぐことに意味があるのです。ただやっているだけの場合は努力は平気な顔をして裏切ってくれます。指導者が考えろ!というのはやればいいでなんとかなる壁はすぐにくるし、そこを超えたところの話をしてるからなのです。

だからこそ考えることが重要になってくるし、どんなスポーツでも賢さは大切になってきます。セカンドキャリアが叫ばれる昨今ですが、スポーツの中で養う考える力はスポーツ以外でも同じことではあるので、セカンドキャリアを恐れる必要もないと思っています。考えていれば。

岡田選手の蹴りの割合が多い組み立て

岡田選手と安藤選手がオーソドックスとサウスポーのケンカ四つの組手です。
安藤選手はほぼパンチのみのスタイルと考えていいので、パンチでの一点突破を狙ってきます。岡田選手はパンチにパンチで対応すると安藤選手のテイクダウンを貰う可能性も上がるので、リスクを考えると避けておきたい戦略だと見ていました。

そこで岡田選手は右のミドルと三日月蹴りを軸にいつもの試合よりも蹴りの割合が多い組み立てでした。蹴るとテイクダウンを合わせれるのではないかと考える選手関係者が多数だと思うのですが、腰の入った蹴りを打てればテイクダウンを合わされるリスクは減りますし、テイクダウンを合わせられにくい間合いで闘うことができます。

ただそこで大切になってくるのが岡田選手のスタンスになってくるのですが、そこで岡田選手がまた秀逸なスタンスで闘います。

いつもよりもスタンスが狭いけれども、狭すぎないスタンス。

僕が相手の武器を考えるときに気にするのがスタンスです。ワイドスタンスであれば蹴りを打ったり、カットすることはできないですが、その分パンチが強くなるしタックルが打ちやすくなります。スタンスが狭いと蹴れるのですがタックルは打ちにくいし切りづらく、パンチもそこまでの強さは出にくいのです。

安藤選手と岡田選手で考えた時に安藤選手はワイドスタンスで、パンチとタックルですが、その分蹴りをカットできないスタイルです。岡田選手はいつもはワイドですが、今回はそれよりも若干狭くして、蹴れるけれどもテイクダウンディフェンスができるギリギリのスタンスを終始維持していたように思えました。このバランスというか、塩梅が彼の真骨頂だなあと思って見ておりました。

安藤選手の才能と練習しないというプロモーション。

たまーに練習に来てくれて、最初の1−2本はものすごいパフォーマンスを見せて、そこからはバテてしまってダメになる彼を僕は嫌いになれないです。レスリングの技術力は高いし、シンプルに強い。そこに尽きます。

彼がTRIBEにいたときに。キャリア初期の彼を見て、さっさと上に行ってしまうんだろうし、UFCにでも行って、それなりにやっていくんだろうなあと思って見ていました。けれども、足踏みが続いて、うさぎと亀のように今はこの位置で闘っている現実。彼はどう思うかはわからないのだけれども、僕は味があるし、好きなのです。また本気になったらすぐに飛び越えていくのだろうし。もしくは本気になったら逆にダメなのかもしれないしね。努力すればいいってもんじゃないのはここでも一緒なのだ。

両選手共、見せ場のあるいい試合でした。お疲れ様でした。

さてここで気持ちよく終わりたいのだけれども、修斗の判定について毎回わからないので、書いておこうと思います。ここからは割と厳しく書いていこうと思うので課金にしますね。うん。燃えないからね。

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