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圧力と質量の話 総合力のぶつけ合いで策は小手先のもの ※無料で全部読めます
記事で「圧力」と書くのが増えました。
相手の圧力で手が出なかったとか、相手の圧力で構えが崩れたなどなどです。格闘技経験があるのであれば圧力と言われて大まかなイメージが共有できるとは思うのですが、格闘技経験のない観る側の人間が圧力と言われたところでイメージが付き難いのが実際のところだと思います。
圧力は目に見えませんし数値化できません(もしかしたらできるようになるかもしれませんが)。ちょっと信じ難くなる東洋の神秘的なちょっと怪しいものに聞こえてしまう方もいるでしょう。そのままでも特に支障はないのですが、記事を読む人にはもっと楽しんでほしいと思うし、格闘技選手には概念として知っておいてもらえたら競技に有益だろうと思い圧力について書き記していきます。
圧力とは打撃と組技など全ての力を総合した質量を指しています。
質量とは剛毅會空手の岩崎達也さんの言葉をそのまま使わせて頂いています。雑に説明すると打撃が50で組み技が30であれば質量は80(その他に体力や経験も入ってくるけれど)、対戦相手が自分の質量を上回れば手が出せなかったり下がらせられてしまいます。
単純に打撃戦と言ってもMMAでは、組技の質量で相手が組技を警戒して打撃を出せないケースもあるし、組み技では打撃で勝る者が相手に打撃戦に戻ることを恐れさせて相手の組み技を消耗させたり封じることがあります。MMAでは打撃出身の選手が時に打撃戦で打ち負けたり、打撃を打撃だけのルールのように出せないのは相手の質量に気圧されて崩されている要素は多分にあります。打撃だけの話でもなく、組み技だけの話でもない総合した質量の話があるのがMMAの面白さであり妙です。
試合を観るときに「質量のぶつけ合い」として見ると試合の予想もしやすくなるし、試合が始まった時点で試合の道筋が見えてきて、より楽しむことができるはずです。セコンドを任されたときは相手との質量と質量の推移を見て指示を送るようにしています。先日のRIZINの中島選手のセコンドの際はケラモフ選手の質量からくる圧力が想像を超えたものでした。「ジャブを突いて」とアドバイスするもののこれだけ圧力を掛けられたらジャブが出ないのも重々承知で相手が消耗するまで耐え忍ぼうと思っていた矢先にフィニッシュされました。
中島さんや矢地祐介さんのセコンドの知将八隅孝平さんも僕も質量で上回って競り勝つ策を立てる宗派なので、質量で上回られてしまうと厳しい展開を強いられるのは宗派の裏のデメリットの部分で仕方がないところがあります。それでも引き出しを用意してきたし、幅の広さを見せられると思ってやってきたからこそ悔しいのは僕の試合でも彼らの試合でもあります。でも質量の問題であって策の問題でないのはわかっているので策を悔いる話でもないと思っています。
そうなると大事なことは日々の積み上げで質量を上げていくしかないのです。全てを信じて積み上げていく作業を繰り返すだけです。何故信じると書いたかと言えばやったからと言って必ず効果や結果が出るとは限らないからです。だからこそ信じないとやっていけません。
圧力は選挙で言えば「ジバン カンバン カバン」で経営で言えば「ヒト モノ カネ」の総合力だと思うとわかりやすいのではないでしょうか。全ては日々コツコツ積み上げていくしかない至極当然のところに行き着く毎回の学びの少ない記事ではあります。今日もコツコツやっていきましょう。策でその場を乗り切れても先送りでしかないですからね。
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