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一生懸命だからこそ
いつぞやの「集中力」や「困った行動」に
続き、「感情の抑制が…」に関する
情報処理能力について。
5歳のAくんは、一度にたくさんの情報が
押し寄せると処理しきれなくなって
爆発しやすい傾向にある。
レッスン中、隣に座るBくんが、
悪気もなくAくんに話しかけると
Aくんは突然、怒ってBくんを押し倒そうとした。
「Aくん、Aくん。どうしたの?友達を押すのはどうかな?」
聞くと、Aくんは抗議する。
「だって、この子が先に嫌なことをしてきた!」
「そうなのかぁ。何をされたのかな?」
「話しかけてきた!」
「話しかけられるのが嫌だったの?」
「嫌だった!」
Aくんは、
話しかけられるのが嫌だったらしい。
その気持ちは認めるが、
話しかけられるのを
嫌になってしまったら、
今後のAくんと人との出会いは
どうなるだろう・・・と気にかかる。
「そうかぁ。話しかけられるのが嫌だったんだね。
でも、もしかしたら、BくんはAくんと仲良くなりたいなぁって思って話しかけたのかもしれないよ?」と、言ってみた。
すると、
攻撃されたわけではないと伝わったのか、
怒り露わな瞳から冷静さを取り戻して
「仲良くなりたいって思うのはいいんだけど、それはいいんだけど、
今、集中したいから、集中しているときに話しかけられたくないの!」
と、しっかり理由を説明してくれた。
Aくんの大きな成長である。
半年前のAくんは、
思い通りにいかないと、
講師の言葉も耳に入らず
「皆嫌いだ~~~~!!」
と、暴れただろう。
自分の気持ちを整理するのも、
説明するのも難しかっただろう。
半年前、当時のAくんに
先生は顔面パンチをくらった。
幼児とはいえ、
5歳の顔面パンチは恐ろしい。
できることならもう御免だ。
すごろく遊びをしていた
男の子4人の年中クラス。
終わりの時間が近づいたので、
「最後は1回ずつやって終わりにしよう」
の約束のもと挨拶の合図をかけると
「まだやりたかった!!!」
隣に座るAくんが突如爆発。
感情の兆候に気が付けず、
保護者様がお戻りの前でクリーンヒット。
本当は、時間を設けて
Aくんの心が落ち着くのを待ち、
お話がしたかったけれど、
タイミング悪く、その日は
早く帰りたいという要望を事前に
伝えてくれていた生徒が他にいたので、
「待たせてはいけない」と挨拶を優先した。
机をはさんだ反対側で、
男の子3人は気を付けの姿勢。
Aくん一人だけが、
机のこちら側で私にむかって体当たり。
「あっち行け~!」と言いながら、
近づいては押してくる。
反対側の3人さえ、
Aくんの勢いにドン引き顔。
「先生、痛くないの?」
心配して声をかけてくれた。
「いたいよ~」
言いながらも、
「先に挨拶するね。気を付け、礼!
ありがとうございました。」と強行突破。
体当たりされて、
一番気を付けとは程遠く
バランスの崩れた体勢の講師の掛け声に
3人はしっかり耳を傾けてくれた。
今、私が話そうとしたところで
なにも見えない聞こえない状態のAくん。
自分で止められない暴走に
注意するのを忘れてしまうほどお母様も
動揺する一面を見せてくれたAくんだが、
顔面パンチはその時だけ。
その後、「手はお膝」だけで、
「なにを~~!!」と逆切れ状態に
なったりしたが、だんだんと
講師の話に耳を傾けられる余裕も出てきた。
感情の起伏は、行ったり来たりを
繰り返しながらも、整理できる気持ちが
少しずつ増えている。
大人でも、ただもう毎日を過ごすのに
いっぱいいっぱいで、
そこに色んなことを要求されると、
キャパオーバーになることがある。
塞ぎこんで、
皆が自分を攻撃しているように
思えてしまうこともあるかもしれない。
誰しもありうることだが、
Aくんのその解決法に、
他者への攻撃が選択されませんように。
肩の力を抜いて。
他人は、敵じゃない。
周りをゆったり見てみると、
あなたを傷つけようとしているわけではないんだときっと気が付けるよ。
そう思いを込めて、
先生は、今週も厳しく笑顔で注意します。
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