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毎週ショートショートお題 「夜からの手紙」
先日の飲み会での話ですが、やはり少し訂正させて頂きたくて手紙を書きました。
別にあなたの言ったことに怒りを感じているとかではなく、ほんの少しだけあなたにも分かって欲しいと思ったのです。
あなたは私を陰気だと、そこは希望のない世界だと仰いました。もちろん陽の光が差し込むあなたの世界は希望に満ちていると思います。人々は笑顔で挨拶を交わし、素晴らしい一日を始めることが出来るのだから。
けれどその素晴らしさに怯えて、夜にしか安息を求められない者もいるのです。陽の光も、照らし出された世界も、自身に向けられる笑顔も全てが眩しすぎて、ただぼんやりと月明かりに照らされていたい時もあるのです。
だからってずっと夜にうずくまっている訳ではありません。心を癒して満ち足りた時には、差し込む朝日に希望を感じられると思うのです。
夜に癒し満たされ、朝に希望を抱いて旅へ出る。昼に生きている喜びを感じて、夕に誰かを想って物思いに耽る。
その全てが繋がって、それを世界と呼ぶのではないのでしょうか。その繰り返しこそが、人間の営みなのではないでしょうか。
私の伝えたかったことだけを長々とすいません。また次回もご一緒させていただければ嬉しいです。