男なら自由に走れ!
「結局、見栄のためにやっても虚しいんですよね。それより、自分がやりたいことをやってた方がいい。」
そう語る青山泰三さん。彼は、映像や写真という自分の“好き”に正直に向き合い続けてきた若者だ。その言葉には、挫折も成功も包み隠さず見せる彼らしいリアルが詰まっている。
「プロジェクトなんて意味がない」
青山さんが学校生活で感じていたのは、「プロジェクト活動って結局、見栄とかプライドのためだけじゃないか」という違和感だった。
「なんか『周りと違うことをしてる』とか、『すごいと思われたい』みたいな自己満足に見えちゃうんですよ。そういうプロジェクトはやっても何も残らないし。」
この正直すぎる物言いに、最初は驚かされる。しかし、これでこそ青山先輩であり、また、そこには青山さんなりの信念がある。「自分が本当にやりたいこと以外に時間を割くのは、意味がない」と彼は言う。
好きなことだけやってきた――その代償
青山さんは、高校時代から「好きなことに全力投球」してきた。その一方で、それがもたらした影響も赤裸々に語る。
「数学とか、もう全然勉強しなかったんですよね。6年間で一番点数が良かったのは、入学して最初のテストだけ。その後は0点も何回か取ったし、先生に『おい、大丈夫か』って本気で言われました。」
好きなことだけを追いかける。その代償は大きい。だが、青山さんは「それでも後悔はない」と言い切る。
「やりたいことを我慢してまで、不得意なことを無理に頑張るのは僕には無理でした。映像や写真に時間を注ぎ込んでた方が、ずっと楽しかった。」
青山さんにとって、映像や写真は単なる趣味ではなく、「自分を表現するための方法」だ。
「特別なテーマとかは考えてないです。ただ、そのとき『これいいな』って思った瞬間を撮るだけ。でも、それを後で見返すと泣けることがあるんですよ。何も考えずに撮ったからこそ、そのときの自分の感情が詰まってる気がして。」
彼が撮る写真には、日常の風景や一瞬の光景が切り取られている。その何気ないリアリティが、人の心を掴むのかもしれない。
「働きたくない」――本音と向き合う
「働きたくないんですよね。正直、ヒモになりたいってずっと思ってます。」
そう飾らない言葉で笑う青山さん。だが、その本音の裏には、「好きなことに集中したい」という純粋な想いがある。
「お金とか肩書きのために働くのって、自分に嘘をついてる気がするんです。それより、写真や映像を好きなだけ作れる環境にいたい。」
もちろん、この考え方に対して批判的な声もあることを彼自身が理解している。だが、青山さんはそのリスクすらも受け入れる覚悟を持っている。
「好きなことをしていれば、失敗なんてない」
「失敗?そんなのないですよ。好きなことをやってるんだから、それ自体が成功みたいなもんじゃないですか。」
青山さんのこの言葉には、彼のすべてが詰まっている。たとえ結果が失敗に見えたとしても、自分が選んだ道であれば後悔はない。
メッセージ――「どう見られるかなんて気にするな」
最後に、これから何かを始めようとしている人たちに向けてメッセージを求めた。
「周りからどう見られるかとか、みんながすごいと思うかとか、そんなのどうでもいいんですよ。やりたくないことをやるぐらいなら、何もしない方がマシ。でも、本当に好きなことがあるなら、全力でやればいい。」
青山さんの言葉は、どこまでも真っ直ぐで、どこまでも赤裸々だ。そしてその生き方は、「嘘をつかない」という覚悟そのものだ。
編集者 大塚有楠