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アメリカでのカルチャーショックから、苦手な緑茶を使ったアロマを企画・販売!
「日本生活時では当たり前だった『日本文化』がアメリカでは全く。そんなカルチャーショックからプロジェクトを始めました。」
そう話すのは、現在聖学院高校2年生、グローバルイノベーションクラス(以下:GIC)の起業ゼミに所属する中島悠陽さん。彼は、高校1年生の時に、個人事業『てらすaroma』を立ち上げ、日本文化の衰退という課題意識の元、「緑茶を使ったアロマ」の企画・製造・販売を行なっている。
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中島さんは、親戚の方が、備前焼の陶芸家として活躍中で、彼はもともと日本文化と深い関わりがあったそう。そんな彼が小学校3年生の時にアメリカに移住した際、色々と衝撃を受けたと言う。日本では当たり前にあった日本文化がアメリカでは全く違うものとして存在していた。特に、シカゴのとある回転寿司店で食べた寿司が日本のものと異なっていたことは寿司好きの中島さんにとって衝撃だったそう。
中学2年生で日本に帰国し、聖学院中学校に入学した中島さんは、学内のSDGsプロジェクトに所属し、ワークショップを実施していた。そこで中島さんは2つ目の衝撃を受けたそう。
「ワークショップを行う中で、意識改革という軸で考えた時に、イベント参加者には一人一人に対して意識改革ができますが、そもそもイベントに参加こと自体のハードルが高いんじゃない?っていう現状を知りました。仮に学内でフードロスに関するイベントをするのであれば、学内全員に意識してもらう必要があるのに、ある程度興味関心がある人だけにやることは、実は意味ないがないっていうのを実感しました。」
そこから中島さんは、高校入学をきっかけに、気軽にたくさんの人にアプローチできる商品開発に取り組みたくなり、GICの起業ゼミに加入。そこで自身のアメリカでの経験を元に、日本文化に関する商品開発に挑戦したかったそう。そこで緑茶に目を向けて活動を進め始めたと言う。
なぜ緑茶に視点を向けたのかを聞いてみると…
「小さい頃からお茶を飲むことができませんでした。でも10年間で茶葉の消費量が30%減っているという課題があること、そして飲めないからこそ、何かできるんじゃないかと思って。今はアロマという形で商品を販売していますが、当初は緑茶の茶葉を売ろうとしていました。でも『苦さがないお茶を作ったから買ってください』って言われても自分だったら買わないなと思ったので、方向性を変えたいなと思っていました。アロマという形になったのは、GICの独自科目『STEAM』の時間に『香の感覚ストレッチ』という授業がきっかけでした。香りを嗅いだ時のインパクトが忘れられず、「これはチャンスだ!」と思って、授業をしてくださった会社の社長さんと繋がって商品の製造をしていただくことができました。おそらく、これが私にとってのターニングポイントだったと思います。」
お茶を使ったアロマはメジャーなものではないそうで、商品完成まで7ヶ月間ほどかかったと言う。その過程で、度重なる商談や市場調査、実証実験など行ったそう。中島さんは、てらすaromaの活動をより深めていくべく、「てらすaromaプロジェクト」としてQWSチャレンジ#19で活動し、QWSステージという発表の場では、味の素賞を受賞。またQWSをきっかけにセブン-イレブンさんとご縁ができ、川崎登戸駅前店で販売中。さらに飛鳥山公園内にある「渋沢×北区 飛鳥山 おみやげ館」というアンテナショップでも販売しているそう。
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商品開発やQWSチャレンジ、そして販路拡大に高校2年生から取り組んでいる中島さん。そんな中島さんに、活動している中での失敗談や諦めたことについて聞いてみた。
「実は緑茶に目を向ける前、ワサビを使った商品開発を考えていました。ワサビを加工して販売するっていうのを考えた時に、ワサビチップスとかを考えたんですけど、競合他社がいっぱいいたので諦めてしまいました」
てらすaroma茶を通して『日本文化の衰退』にアプローチしている中島さんだが、『一つの経験が衝撃を生み、衝撃が新たな経験を与える』=『経験と衝撃のループ』で活動のステップが構成されているんだなと感じた。中島さんには、この活動経験を通してまた新しい衝撃を受けてどんどん進化していって欲しいなと思います。また、「これはチャンスだ」と思ったら、積極的にアタックしていくこと、そしてそれが掴めなくても「次こそは絶対掴む!」っていう諦めないマインドがあったからここまでプロジェクトを進めることができたのかなと思う。私も、これを読んでいるあなたも、行動することで新しい刺激を得られたら生活がより豊かになるのではないでしょうか?