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「Ninth Peel」を剥いたら答えがありました

UNISON SQUARE GARDENの9枚目のアルバム「Ninth Peel」の感想です。ジャケ写のアライグマさん、凛々しくてお気に入り。


全体の雑感

田淵が前作の「Patrick Vegee」を"ぐちゃっとしてるアルバム"と表現していて、でも私にはあまりピンと来なかったのですが、「Ninth Peel」こそ一聴して「ぐちゃっとしてる」と思いました。いろいろなタイプの曲が詰め込まれている。

依頼を受け頭をひねったハイクオリティな曲、原点回帰みたいな曲、どポップな曲、赤裸々バラード、おしゃれシティポップ風の曲、いともたやすくできちゃうらしさが溢れた曲。「MODE MOOD MODE」や「Patrick Vegee」と違って特にコンセプトはないそうなので、なるほどなと思います。

そう言えば、SKY-HIも以前はコンセプト立ててアルバムを作っていたけれど、ここ2作品は「出て来たものを並べました」という自由気ままな作り方をしていて、最新のSKY-HIらしさが反映されていてフレッシュで面白いと思ったのですが、「Ninth Peel」も非常にフリーダムで楽しく、今のユニゾンの美味しいところがパッケージされていると感じます。

JAPANの山崎さんが、お客さんに出す料理とまかない料理がごっちゃになったようだといった表現をしていたのですが、とてもわかりやすい。クライアントのことも意識して手間暇かけて煮込んだディナーと、冷蔵庫にあるものでぱぱっと作れちゃういつもの味がごっちゃになっている。MUSICAの鹿野さんは、15周年以降のベストアルバム+B面集のようだ、と言っていました。

いつもみたいに1曲目に「何枚目」のアルバムであることを象徴するしかけはありませんが、11曲目の「フレーズボトル・バイバイ」からリピートで1曲目の「スペースシャトル・ララバイ」に戻ると耳が気持ち良い。「忘れられない今日になった!」からの「忘れたくても忘れない」に繋がるのが爽快。

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