私を服好きにした3つの出会い

皆さんこんにちは。

アクセサリー&雑貨のお店で店長をしています。さとこと申します。

前回の記事で、『今働いている会社が、おしゃれに興味を持ったきっかけ』と書きましたが…今回はそのあたりをもう少し掘り下げてみたいと思います。私が着飾ることやお洋服を好きになった理由として、大きく3つの出会いが関わっています。その出会いについてお話します。



一つ目の出会い

1つ目は、前回の記事にも書いた、『おしゃれに興味を持つきっかけになったお店との出会い』です。それは、私が小学校3年生の頃でした。当時仲の良かった友人2人と、自分たち3人だけで映画を観に行こう!と計画し、地元の大きな駅にある映画館に行きました。初めて親の監視を離れて駅まで行き、テンションの上がり切った私たちは、数カ所寄り道をしました。アイスクリーム屋さん、ディズニーストア、ファンシーショップ…その寄り道ルートにあったのが、私が今働いているブランドのお店でした。

キラキラした店内、カラフルで可愛いアクセサリー、ド派手でカッコいいお姉さんたち…。私は、一瞬でそのお店に心を奪われました。今まで見てきたお店と何が違ったのかは、今となってははっきりしません。“子どもだけで来た”という経験もスパイスになっていたのかもしれません。ただ、目の前のキラキラしたアクセサリーと、それを身に付けて堂々とお店に立つお姉さんたちに憧れ、自分もあんなふうになりたい、と強く思ったことだけは覚えています。


2つ目の出会い

そんなふうにして、人生を変える出会いを果たした私ですが、そこでいきなり“おしゃれキッズ”に変身したわけではありません。少ないお小遣い、なかなか行けない駅ビル…小学生にとってはとても高い2つの壁に阻まれ、“お気に入りのお店”はなかなか行けない特別な場所のままでした。ですが、そんな私の心を救う画期的な出会いがありました。

ファッション雑誌です。初めて買ったのは、小学生向けのファッション誌でした。ご存知の方もいるかもしれません。『ピチレモン』という雑誌です。

私が初めてその雑誌を手に取ったときは、大沢あかねさんがカリスマとして全盛期の頃でした。自分とそんなに年の変わらない女の子が、おしゃれな洋服とアクセサリー、可愛らしいメイクで雑誌に載っている、ということに衝撃を受け、これにもまた強く憧れたことを覚えています。

そうして衝撃を受けた私が次に取った行動は、モデルさんの全身コーデの真似っこでした。


3つ目の出会い

3つ目の出会いは、親におねだりしてやっと買ってもらったモデルさん真似っこコーデを着て、ウキウキで鏡の前に立ったときに起こりました。

そう、鏡の中の自分との出会いです。

ウキウキで鏡の前に立った私は、そこに写る自分の姿を見て愕然としました。今となっては当たり前ですが、モデルさんと全然違うのです。服は同じなのに。もちろん、それまでにも鏡を見たことはありました。ただ、ここまで明確な憧れや期待を持って見たことはありませんでした。

はっきり言って私は、雑誌に載っているモデルさんたちの軽く倍はあるような体型でした。単純に太っていたのです。自分が人より太っていることには気付いていました。それはもう物心ついた頃からずっとぽっちゃり(今でも)なので当然です。そして丁度それに悩み、人からの視線が気になり始めた年頃でもあったので、こんなにはっきりとした違いを突き付けられたことはショックでした。

でも私は、鏡に映った自分に愕然としながらも、その『洋服』そのものを嫌いにはなっていませんでした。どんなに自分の姿が理想と違っても、それを着て鏡に写る自分は今まで見てきたどの自分とも違いました。大好きな雑誌に載っている憧れのモデルさんと同じ服、それを着て自宅の鏡に映る自分…それまでの人生で感じたことがない種類の高揚感でした。

ただ、それでも理想と現実のギャップは大きなものです。そこで私は、「この憧れのお洋服を私でも可愛く着るには…」ということを考え、試行錯誤を始めました。上に着たニットはそのままに手持ちのジーパンに履き替えてみたり、母の上着を勝手に引っ張り出して羽織ってみたり、“お気に入りのお店”で買ったアクセサリーをジャラジャラ付けてみたり…そうして試行錯誤しながら何時間も鏡の前に立つのは初めてで、ただただ楽しい時間でした。

その何時間を経て、当時の自分の中で一番「可愛い!」と思えた組み合わせを完成させた私は、思い切ってその格好のまま飼い犬の散歩に行きました。誰かに見せたくて、いつもの倍は歩き回ったと思います。でも結局は、知っている人には誰にも会うことなく帰宅しました。ただ、試行錯誤の末に得た『納得のいく姿』で歩く間は、太っていることも、それに悩む自分も、人からの視線も、何も気にならなくなっていました。

こうして私は、長い“憧れ”の期間と、理想と現実のギャップに直面し、それを自分なりに埋める期間を経て、“着飾ることで自信が持てる”ということを学んだのです。


これが私の、洋服やアクセサリーが好きになった理由です。今では、かつての自分のように“着飾ることで自信が持てたり、理想に近づいたり、幸せを感じる人を1人でも増やしたい”“そのお手伝いがしたい”という思いで販売員として日々店頭に立っています。


ここまで振り返って、もしひとつだけ当時の自分に疑問をぶつけるとすれば「その情熱をダイエットに傾けるという選択肢がなぜ無かったのか。」それだけです。笑



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