エイブラハムをかじっただけの男と弟子 その44 優勝インタビュー
前回のあらすじ
エイブラハムー1グランプリもついに決着の瞬間がおとずれる。
闘い抜いたエス太は優勝を決め、日本代表の金メダルが確定。
日本中が歓喜と感動に包まれると思われたが、エス太のウイニングドヤ顔により、会場中がブーイングの嵐となる。
レポーター:放送席~、放送席~、聞こえますか?
ソ ラ :こちら放送席、聞こえます。
レポーター:こちら、優勝しましたエス太選手にインタビューです!!エス太選手おめでとうございます!
エス太 :ありがとうございます。
レポーター:素晴らしい試合でした。
エス太 :え~、そうですね。最初のドヤ顔で減点になった時はちょっと難しいスタートかな~とは思ったのですが、後半で、なんとか立て直しました。
レポーター:ずばり勝因はなんでしょう?
エス太 :そうですね。まずは、アメリカのマイク選手が失格になったこと。それによって、出場選手が1名になったことが勝因ですね。
レポーター:出場者が1名では、ほぼ優勝しかないですからね。
エス太 :そうですね。
レポーター:この感動を今一番誰に伝えたいですか?
エス太 :そうですね。ここまで自分を支えてくれた家族、応援してくれたサポーター、そして、ドーピングで失格になったマイク選手ですね。
レポーター:性格悪いですね。
エス太 :そうですね。
レポーター:これを見ている国民の皆さんへ一言お願いします。
エス太 :はい、え~、そうですね。え~、皆さんの応援のおかげで、こうして優勝することができました。ありがとうございました。
レポーター:ありがとうございました。エス太選手でした。
エス太 :ありがとうございました。
ソ ラ :最悪の優勝インタビューでしたね。
マッキー:そうですね。勝因がほぼ実力関係なかったですからね。こんなインタビュー見たことないですね。
しかも、軽くマイク選手を煽(あお)ってましたね。
ソ ラ :エイブラマンシップの風上にもおけませんね。
ちなみに、今回のエス太選手が叩き出しました、「198.5ハムポイント」はどのくらいのドヤ顔に匹敵するのでしょうか?
マッキー:そうですね。だいたい、学校に自転車で登校する際、1度も地面に足をつかずに学校まで辿り着けたことを友達に話す時のドヤ顔に匹敵しますね。
ソ ラ :微妙ですね・・・。
マッキー:はい、微妙です。
ソ ラ :マッキーさん今日はありがとうございました。
マッキー:ありがとうございました。
ソ ラ :では、そろそろお別れの時間です。エイブラハムー1グランプリ、エイブラハムに魅了された男の熱き闘いは、エス太選手の優勝で幕を閉じました。
おめでとうエス太選手、ありがとうエス太選手、エイブラハムを愛し、エイブラハムに愛された男が、全国民に感動とイラ立ちを与えてくれました。
それでは、また次回のエイブラハムー1グランプリでお会いしましょう。
さようなら。
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