カフェBAR「Sara」 その3 マッキーの挑戦
エス太 :なぁマスター、あいつ何してんだ?
マスター:マッキーさんですか?何か、企画書を書いているそうですよ。
エス太 :企画書?何の企画書だ?
マスター:何かですね。「エイブラハムをかじっただけの男と弟子」を書籍化するために、どうすればいいかを調べたらしいんです。
そしたら、どうやら企画書が必要だと、どこかに書いてあったみたいなんです。
エス太 :書籍化?あいつ、諦めてなかったんだな・・・。最初、あいつは自分が面白いと思うものを書いていれば、いつか誰かから声がかかると思っていたんだよなぁ。
マスター:そうなんですね。
エス太 :あいつの現実はそう甘くはなかったか。そもそもあいつの文章は、小学生の作文以下だ。そりゃそうだよな。
マスター:待つのをやめて、自分から夢を取りに行こうと決心したわけですね。
エス太 :ようマッキー、お前、企画書なんて書いたことあんのか?
マッキー:お、エス太か。企画書か?ないわ。どうやって書くんだ?
エス太 :えっ?んじゃ今まで何を書いてたんだ?
マッキー:企画書という名の手紙だ。俺の野望、熱い思いをこの手紙に込めた。
エス太 :マジか・・・。大丈夫か?それ。
マッキー:こんなもんはパッションだ。俺のパッションをこの手紙に載せれば、誰かの心に届くさ。
マスター:ハハハッ。マッキーさんらしいですね。まさに非常識ですね。
エス太 :はぁ。アホなんだよ、こいつは。
マッキー:よし、できた!!これを出版社に送ろう。
エス太 :ちょっと、見せてみろ。
マッキー:いいぞ。どうだ?
エス太 :お前・・・これ、マジで送んの?
マスター:ハハハッ。相変わらず、ぶっ飛んでますね。
マッキー:これが、マッキーだ。
エス太 :これで、誰にも見向きもされなかったらどうするんだ?
マッキー:んなことぁ、慣れてるさ。その時は次の手段を考えるまでだ。
正直、そん時は出版社に同情するよ。
マッキーという存在を見つけられなかったことは大きな損失だ。
エス太 :無敵か!お前は。
マッキー:言ったろ?なりふり構ってらんね〜んだ。俺は、多くの人の夢、応援、人生を背負ってる。もう、止まるのはやめた。夢を叶えに行く。
エス太 :お前が勝手に背負っただけだろ。誰もお前に背負ってもらおうなんて思ってね〜よ。
マッキー:そうだ。俺が勝手に背負った。
でもな、俺が成功することで、誰かの人生観が変わるかもしれない。
誰かに勇気を与えられるかもしれないだろ?
だって、俺が書いてきたのは「夢の叶え方」だぞ。
俺が夢を信じなくてどうする。俺が夢を叶えなくてどうする。
エス太 :そっか。まぁ、お前みたいなやつが、もし夢を叶えたら、確かに多くの人の夢へのハードルが下がるかもな。
マスター:ハハハッ。いいっすね〜。