中身
容れ物をよく見る。
サイズ別の袋や箱、瓶やプラスチック容器…
店では自然に「いい感じの容れ物」を探し、既にある無数のそれらを買っていく。
容れ物で散らかる。器が小さいというか器だらけの人間だ。
色々・細々・雑多が「分類され見やすく取りやすく戻しやすい」イメージでは描けているはずの世界を夢見て果たせない。
妻は、いらない物があったらすててね、と言う。
うん、今はあれだけどいつか使うかもだから…。
小さな貝や石、壊れた部品・歯車やネジや金属。
同じ用途の幾つもの文具、沢山の便箋やノート。
落書きや粘土細工やメモ。
そこには小さな夢があって夢は死んでいる。
整理なんかできないか。ただ詰めるだけだ。
もしかしたらこのまま何もできない怖さを、手をつけないことで自信にすげ替え夢にする。
今日も職場で余ったいい感じの箱を貰って帰る。
これはもう、悪夢というか自分だなぁ。