![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/162381241/rectangle_large_type_2_dbb33cb9781d0b1f248c1b7b82e948f4.png?width=1200)
兄弟姉妹の代襲相続
1.はじめに
令和6年11月12日付で相続法に関する最高裁判例が出ましたので、ちょっと出遅れた感がありますが読んでみました。
2.事案の概要
判決文を読むと、以下のような相続関係です。
![](https://assets.st-note.com/img/1731940233-cbGRgvE32YpJLjSATP8atwuf.jpg?width=1200)
3.判旨
民法887条2項ただし書は、被相続人の子が相続開始以前に死亡した場合等について、被相続人の子の子のうち被相続人の直系卑属でない者は被相続人の子を代襲して相続人となることができない旨を規定している。
これは、被相続人の子が被相続人の養子である場合、養子縁組前から当該子の子である者(いわゆる養子縁組前の養子の子)は、被相続人との間に当該養子縁組による血族関係を生じないこと(民法727条)から、養子を代襲して相続人となることができないことを明らかにしたものである。
そうすると、民法889条2項において準用する同法887条2項ただし書も、被相続人の兄弟姉妹が被相続人の親の養子である場合に、被相続人との間に養子縁組による血族関係を生ずることのない養子縁組前の養子の子(この場合の養子縁組前の養子の子は、被相続人とその兄弟姉妹の共通する親の直系卑属でない者に当たる。)は、養子を代襲して相続人となることができない旨を定めたものと解される。
![](https://assets.st-note.com/img/1731976618-VFAks13dNRMlPEgcY7Thmr8n.jpg?width=1200)
したがって、被相続人とその兄弟姉妹の共通する親の直系卑属でない者は、被相続人の兄弟姉妹を代襲して相続人となることができないと解するのが相当である。
これを本件についてみると、Xらは、本件被相続人とBの共通する親であるDの直系卑属でないから、Bを代襲して本件被相続人の相続人となることができない。
4.参照条文(民法)
(縁組による親族関係の発生)
第727条 養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる。
(子及びその代襲者等の相続権)
第887条 被相続人の子は、相続人となる。
2 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
3 (略)
(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)
第889条 次に掲げる者は、第887条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
一 (略)
二 被相続人の兄弟姉妹
2 第887条第2項の規定は、前項第二号の場合について準用する。