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最終兵器、苔
植物の墓場
ついに、以前から興味のあった苔テラリウムを作り始めた。
これまで色々な植物を育ててきたが、上手くいったものは少ない。北向きの家なので、屋内に日光が一切差し込まないからである。明かり取りとして東にも窓は付いているが、全てすりガラスなので日光と呼べるものは部屋に入ってこない。
季節と時間帯によっては、ベランダの僅かな部分に日光が当たることもあるが、我が家は大通りに面しているため、植物たちを外に出したところ車の煤だらけになってしまった。すぐ屋内に取り込んだものの、あれはかえって死期を早めたのではないかと思っている。
これまで育ててきた植物は下記の通り。
・サンスベリア
2021年10月3日〜
現時点で唯一の生存者。元々6枚葉の子だったが、今や20枚以上を付ける大家族となった。オフィス内の観葉植物としてよく見かけるだけあり、驚異的な耐陰性である。
・ガジュマル
2021年10月3日〜2023年7月
水の遣りすぎにより、根腐れを起こして死去。幹の患部を切り落とす大手術を敢行したが、病状は既に末期で手の施しようがなかった。完全に私の過失であり、申し訳ない…。
・こまち(サボテン)
2022年10月1日〜
頭頂部の針山が徐々に死滅してきたこと、明らかに徒長していたことから、取り返しがつかなくなる前に日当たりの良い実家に移住させた。ちなみに徒長とは、上に向かってヒョロヒョロと伸びること。徒長した部分は緑色ではなく、虚弱な感じの白っぽい色となる。本来ならば横に広がるように大きくなるはずだが、太る気配は微塵もなかった。
・Pac Rim&ヒューミリス
2022年10月1日~2023年8月
これら2つも日光不足により徐々に元気がなくなり、1枚また1枚と葉が枯れていった。彼らも早めに実家に移動させるべきだったな。ごめんなさい。
太陽は偉大なり
うちではほとんどの植物は育たない。僕はそれを、この3年間で身をもって学んだ。
元々、植物を販売している店のスタッフには「日当たりの悪い場所でも育つ植物ってありますか」と尋ねて、「これならまあ大丈夫かな」と言われた子を買ったんだけど、僕の聞き方が間違っていた。
本当は「人間が生活に使う蛍光灯だけで育つ植物はありますか」と聞かなければならなかったんだ。すると大抵は、「さすがにそれは…」という答えが返ってくる。
一般家庭の蛍光灯の照度は500ルクス程度らしい。ちなみに、我が家における唯一の生存者であるサンスベリアは植物用ライトで毎日照らしているんだけど、これが約5000ルクスだってさ。
翻って太陽の照度は、晴れていれば10万ルクス、曇っていても2〜3万ルクスと言われている。ケタが違うどころの騒ぎじゃない。太陽の力は偉大なのだ。多くの民族が神として崇めてきただけのことはある。
救世主あらわる
やっぱり日が当たらなきゃダメか――諦めかけたそのとき、僕の頭にふと1つの選択肢が舞い降りてきた。
そうだ!苔があるじゃないか!
苔は日陰を好み、むしろ直射日光に当ててはいけない。定期的に霧吹きをして適度に湿らせておけば、蛍光灯でも元気に育つという。
もさもさしていてかわいいし、テラリウムとして育てれば自分好みのジオラマを楽しむこともできる。様々な種類の苔を同じ容器内で育てるのも一興だ。
で、「今年こそは苔テラリウムを作ろう」と思い立ち、新年早々、苔、ソイル(土)、ガラス容器などを購入。不慣れなので、まずは試験的に、元々プリンが入っていた容器に芝生を敷いてみた。さらに、トリケラトプスさんと丸太も置いてみる(サムネ画像)。初めてにしては上出来じゃない?笑
実は僕が作りたいと思っているジオラマがあるんだけど、ちょっと下準備が要るので、それが整ったら作ってみる。出来上がったら、またこのnoteで紹介するね。