社員数230%増”全員採用”のためにP/Lに責任を持つ1人目人事がやったこと #TerraDrone
「空から、世界を進化させる」テラドローンのHR/PRマネージャーの宮本(@a_inmt)です。(採用を採れるまでコンスタントに発信を続けるミッションを課しています)
1人目HRとして入社して1年半(もうすぐ2年)が経過し、35⇒80名と組織が成長する中で、早めに着手して良かったことについて備忘録も兼ねて執筆します。今回は、採用成功を左右するスクラム採用の定着に向けた、上流~下流まで採用工程の定量化にこだわった話についてです。
テラドローンの場合、HRやPRもP/Lに責任を持ち、どのように売上・コスト・利益・株価に貢献して事業に資するか逆算して動いており、その取り組みの一部をご紹介いたします。
数年前と比較し有効求人倍率が上昇し続け、採用担当だけで採用をする難易度が年々高まり続けている中で、事業部・HR・経営の連携が不可欠になっています。私としても、採用担当だけで全ての採用を完結することは困難だと考えており、入社した当初はエンジニアの応募が全然来ない、など頭を抱えていた時もありました。
一方で、事業の現場からしてみると、「こんな忙しいのになぜ採用までやらなければいけないんだ・・」「採用担当は何をしているんだ」「先月依頼したのに、いつになったら採用出来るんだ」「やるべきことやっていないのではないか」等と、感じてしまうのもわかります。(言われると、採用担当は1発KO食らいます..w)
とはいえ、同時並行で数十名分の採用が進んでいることも多く、事業を巻き込みながら採用をしていかないといけない、などと私も未経験人事として入社した際は焦りを感じていましたが、採用自体の構造がブラックボックス化しているのが原因でした。
オンタイムで採用を加速し、事業成長に寄与するために、テラドローンの場合は、下記のStepで進めています。
主にこの後記載する5つの項目を可視化しました。
※すでに事業フェーズが進んでいる企業の採用の方には参考にならないかもしれません。もし同じような課題感をお持ちの方がいましたら、一例として参考程度にご覧いただけますと幸いです。
①マクロな市場環境のデータの共有
市場感のデータは毎月大手のエージェントが出されており、参考にしております。DODA「転職求人倍率レポート(2022年9月)」によると、IT・通信業界の有効求人倍率が5.97倍、ITエンジニアのみでは10.07倍等ITエンジニア等を筆頭に採用難易度が高いことが確認できます。
②HR費用の予実管理
事業部がSNSやリファラル採用を進めるにしても、そもそも「なぜ担当業務で忙しいのに事業側でやるのか」、と思ってしまう方もいるのではないでしょうか。
採用教育費は販管費の中でもボリュームが大きくなってしまいがちな科目の一つです。
大きくしようと思えばいくらでも大きくなってしまう採用コストを本当に必要なコスト以外を削減することで、「給与」「賞与・インセンティブ」「福利厚生」として投資し、社員へ還元することが出来ます。実際に採用で削減したフィーを基に、投資に回しています。
③スカウト~入社までのCVRと時間/費用コスト
(賛否両論あるかもしれませんが、)外部の経営者や人事へのヒアリング、前職時代学んだ、下記のようなCVRです。(ポジションの難易度によって、CVRは大きく変動するため、テラドローンの場合はポジション毎の過去のCVRを基準にします)
勿論1分の1採用が理想であるものの、選考のご辞退を始めとした推移により、同時並行で1か月等の短期間で採用するのは至難の業だと思います。
HR/PRチームでは、ポジション毎のCVRを参考にしつつ、各工程にかかる時間/費用のコストを全て出しております。
④採用担当の工数と事業側で必要な工数
ベンチャーあるあるですが、担当者が複数領域を兼任しているパターンも多いのではないでしょうか。テラドローンの場合は、現状正社員の採用担当が全員兼任であり、業務委託の方の稼働工数も併せて、約1.5-2名分の工数を年間20-30名の増員(業務委託など他雇用形態の方も含めて40-50名程度)に充てています。その中で、1日あたりにかけられるスカウトの時間とスカウト件数を割り出し、急募採用を中心にギャップ分は採用オーナーである事業責任者とも共有しながら、連携して進めています。
⑤採用サマリ(順調/不順調)と必要な打ち手の共有
事業部にご協力頂いている中で、協力いただいたことが上手くいっているのかなどは、事業部も気になる所です。
下記を行い、事業部と同じ方向を向いて採用出来るように進めています。
最後に
現在のテラドローンは、現在全方位で積極採用中であり、会社全体で採用へ本気で向き合っております。スクラム採用が進んでおり、事業責任者自ら発信、会食調整、選考フローの変更の提案をしてくださったり、非常に感謝しています。エンジニア採用も抜本的に変更し、直近数か月で、10名弱の方に内定受諾&入社いただき、女性社員も昨年から約9倍に一気に増加しております。
市場環境や社内のリソースに合わせた最適化された採用力で、採用成功が決まると考えています。まだ管理会計をベースとした、事業部主体の事業別採用コストの管理など、浸透し切れていない部分もありますが、HRとして、採用成功や採用フィーの最適化に責任を持ちつつ、定量化された各工程の最適解と事業成長を追求していきたいと思います。
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