AAAを想い続ける②
①で、私のaヲタ歴と、運営や現在の音楽におけるハコ問題について、かなり自分なりの辛口で語った。
読み返すと、私はまだ”宇野ちゃん推し”なのかもしれない。
今回はAAAの最新ライブ「AAA DOME TOUR +PLUS」のDVDを観て思ったことを語りながら、今後のAAA、音楽世界に在るべき理想像をまとめていく。
1.アレンジの多さ
オープニング映像は、AAAお決まりの、地球が危機でメンバーが救世主という設定。うん、ブレない。
Sorry,I…が1曲目とは想像以上だった。宇野ちゃんのアレンジがかなり良い。
AAAでアレンジするといえば、にっしーだ。1回のライブで3回くらいはアレンジしていたイメージ。
他のメンバーは間奏で盛り上げるために声出しやボイパはしていたけど、アレンジをすることはなかったと思う。
ただ、千晃が卒業してからは千晃のパートをアレンジして歌うことも多くなった。
PLUSでは、1曲に何回アレンジするのかと突っ込みたくなるくらい、アレンジが非常に多かった。
AAAの歴史を知っている人なら、このアレンジも心地よく聞けたし、元の音源とかぶせたらハモリのように聞こえるかも、などプラスに捉えられるかもしれない。
でも最近AAAを好きになった人や、純粋にダンス&ボーカルグループのライブとして見る人にとってはどうだろう?
アレンジばかりして、音を外しているようにも思えるし、その場その場で音を変えられて混乱してしまいそうだ。
即興で歌えるというのがライブの醍醐味でもあるが、5人もメンバーがいては、全員が1曲1回のアレンジをしただけでも1曲に5回アレンジが入ることになり、かなりの頻度になってしまう。
歌が上手いからならではのことだが、あまりにもアレンジが多すぎて、本来の曲の良さが伝わりにくいのではと感じた。
2.ダンスを隠す
これはAAAだけに限る話ではない。
せっかくのダンスパートを、照明や映像で見づらくし、DVDではカメラを激しく動かしカットを増やすことで、ダンスを隠していることが多い。
ライブハウスだとそこまでの演出はなかなか出来ないが、それでも照明は暗めで、肝心のダンスがはっきり見えずもやもやすることがある。
PLUSでは、何度かダンスパートがあるのだが、ほぼ暗闇、ライトが足元を照らすのみ、あるメンバーの手のみのカットなど、せっかくキレキレのダンスをしていてもかき消すような演出がされている。
映像作品としてはとても素晴らしいのだろうが、やはり、私がライブに求めるものは歌とダンスだ。見えないなら意味がない。
ここまで演出を細かくするなら、ダンスが揃っていなくてもバレないかもしれない。
もちろん、AAAを全部知りたいという姿勢で調べつくしたオタクだから、本当にダンスが上手いのを知っている。
しかし、そうでない人にはダンスパートの凄さが伝わらないのではないだろうか…
3.衣装替えが多い
AAAのライブは、衣装が素敵なことも一つの重要な要素だと思う。
大人数だけど、同じ生地でも一人一人形が違って、個性のある衣装なのだ。
8周年記念のEight Wonderでは、アンコール含め4着の衣装替えがあった。
衣装替えのタイミングを他のメンバーが歌っている間やMCにすることで、ライブで重要な本人がそこに居る状態で、待ち時間もなかった。
しかし、今回のPLUSではアンコール含め多くて6着衣装を変えた。
2時間半で6着。
衣装替えも大変だが、映像だけが流れる待ち時間問題、そしてそこまでして替える必要があるのかという疑問がある。
1着減らせば、1曲歌える時間が生まれる気もする。
そこがやはりエンターテイメント寄りというか、映像作品寄りな気がしてまう。
映像なら衣装もしっかり見えるが、実際ドームの最後列では衣装を替えられると、またどれが誰かをイチから把握しなければならないし、衣装があまり見えないこともある。
1番大事なのは、見た目でなくて、歌とダンスではないのだろうか。
また、最近の衣装では厚手のコートが用いられることも増えた気がする。
果たして、それでバキバキに踊れるのか。
実際、今回映像を見ただけでも、腕がきちんと曲がらず、動きにくそうに見えた。
先ほどのダンスを隠すのように、衣装もダンスを隠していることがある。
4.パート問題、ダンスができない
AAAが5人体制になって1番変わったのは、歌割りだろう。
7人で歌っていた曲を5人で歌わなければならない。
感覚だが、1曲におけるパートの割合は以下の感じだ。(敬称略)
西島3:浦田3:宇野1:日高0.5:末吉1:與1:伊藤1
昔の曲なら、メインボーカルの西島、浦田、宇野の3人で1曲歌っていたし、西島・浦田メインであったり、宇野メインであったりと、様々な曲があった。
しかし、7人体制となってからは、『負けない心』や『perfect』など1部の曲を除いては、ほとんどの曲が男性メンバー8割、女性メンバーは2割あれば多い方だと思う。
たまに女性メンバーはハモリだけの曲もあるし、Dメロで1フレーズのソロパートがあるのみのときもある。
そのため、伊藤が卒業した際はそこまで大きな変化はなかったと思う。
1フレーズずつ歌っていたところを、宇野がカバーしても、曲としては問題ないし、そこまで負担はなかったかもしれない。
しかし、後に挙げるが、女性メンバーは多くの曲の大部分でハモリを担当しているのだ。
5人体制になってからのメインパートの割合はというと、
西島4:宇野2:日高1~2:末吉3:與3
くらいだろうか。(どうしても10にできず分かりづらいけど)
浦田はメインボーカルだったため、パートも多かった。
それを男性メンバー(日高はラップ担当なので、限られた曲のみカバーを担当している)3人でほぼ均等に割り振っている。
3人のメインボーカルのみで歌っていた曲(『MUSIC!!!』等)では宇野がカバーしているようだ。
しかし、曲のキーとなるパートの語尾やDメロなどは、西島がカバーすることが多いため、浦田が一人で歌っていた1フレーズを他メンバーと西島で分担するような形になり、少し不自然な箇所も見られた。
そして、先ほどハモリについて少し触れたが、5人体制でのハモリの割合は以下のような感じになる。
西島1:宇野9:日高0~1:末吉2:與2
もはやほぼ宇野がハモリを担当していると思っていただいて構わないと思う。
もともとメインパートが男性メンバーが多いため、ハモリは女性メンバーが担当していたのだが、女性メンバーが一人になったため、ほぼ全て宇野が担当することとなるのだ。
5人体制になってからの曲『BAD LOVE』と、7人体制ラストの曲『MAGIC』をぜひ見比べてほしい。(公式では7人ver.しか出ていない)
MVではダンスとマイクがないため、分かりにくいかもしれないが、『BAD LOVE』ではメインパートやハモリがほぼ均等に割り振られている。
『MAGIC』では7人だからこそできているが、伊藤と浦田のパートを他のメンバーで補うとなると、かなり忙しくなってしまう。
もちろん、7人で、5人で歌う前提があって作られた曲だから当たり前なのだが、7人の曲が多いため、ライブで披露するとなると長い時間マイクを口元に持っていなければならない。
すると、必然的にダンスが出来なくなるのだ。
『Li'l Infinity』では、サビで歌う人・踊る人で分けるフォーメーションがある。
7人だから、3・4で分かれていたが、5人では2・3。
さらに多くの曲では、「西島・宇野・末吉」と「浦田・與・伊藤」の2つの分かれて歌うことが多い。
伊藤と浦田が抜けた後者には、宇野が入ることになるが、3人分の声を2人でカバーしなければいけない。
プラスで、宇野は前チームの自身のパートも歌うことになる。
つまり、1曲中ほぼずっとマイクを握ることになるのだ。
また、卒業者のパートを少しずつ分けたため、何度もマイクを握ることとなり、それもまたダンスができなくなる要因となると思う。
人数の変更が、歌の大変さと踊れない理由を作ってしまったのだ。
5.AAAが活動休止をする理由
15年以上共にしてきた仲間だ。
ソロだってもう何年もやっている。
今更「方向性の違い」「仲割れ」ではないだろう。
運営との意見の食い違い、も少しはあるかもしれない…というか、個人的にはそれはあってほしいのだけれども…
1番の理由は、「AAAとしての音楽・ライブを届けられなくなったから」ではないだろうか?
4年ほど前から休止の話し合いは始まっていたというが、それくらいからソロでもライブツアーをしていて、グループもツアーをして、とスケジュール的なこともあったかもしれない。
そして『恋音と雨空』を超えるヒット曲が世間に認知されていないこと。
オタクでない人からすると、AAAは年末になると突然テレビに出てくるグループであったかもしれない。
そういう理由もあって話し合いを始めたかもしれない。
しかし、このタイミングで決断したのは、やはりメンバーの卒業が大きいと思う。
AAAはライブ活動を精力的に行ってきた、ダンス&ボーカルグループだ。
Atack All Aroundの意味通り、ライブに芝居や楽器演奏などを取り入れたり、グループ活動以外で様々なことに挑戦してきた。
しかし、1番大切にしてきたライブで、「AAAらしい音楽」を届けられなくなった。
5人体制で7人の曲を歌って踊ることは難しい。
アレンジや衣装、演出でエンターテイメント度を高めてはいるけれど、根本的な音楽は高めるよりもまずは補うことをしなければならない。
7人で駆け回った大きなステージに5人で立たなければならない。
今現在では、5人で「最高のAAA」を届けられないと判断したのだと思う。
だが…それは何年か経てば変わるものだろうか?
さすがに浦田が出戻り…はないだろうが、それくらいしないともう戻れないのでは…
日高CEOはできることを頑張るといったが、「できること」「頑張ること」とは一体何なのか。
活動休止中、ソロを頑張るメンバーと、歌いたくないメンバー。
ソロの基盤にAAAがあるメンバーと、ないメンバー。
会わなくなるメンバー。
ドームだけやりすごすチーム。
いつ、再開できるようになるのだろうか。
待つ、と言っても期限はないし、保証もない。
実際、avexに所属していたAAAの後輩でもあるDream5(ようかい体操を歌っていた5人組)は、「現行メンバーでの活動を終了」との言葉で、実質「解散」だったのだ。
曖昧な言葉を並べて、変な期待だけを抱かせて、解散。
あり得る話ではある。
今は再開するつもりでも、明日にはどうなるかわからない。
事務所のプッシュはAAAからDa-iCEやlolに移行している。
いつか戻ってきて、本人たちのやる気と、事務所の考えが一致するかもわからない。
期待はするな、とは言えないが、不安なのはわかる。
どうか、活動休止中でもSNSでメンバー同士が絡んだり、ソロ名義でもプロフィールでAAAメンバーと紹介されたり、ドームが大成功することを願う。
早く、いつもの日常に戻ればいいのに。