お菓子食べる?
Xの企画に参加したときのもの。
本文
2人のきょうだいが、森の奥にあったお菓子の家を見つけた。
お菓子が大好きな2人は、疑問を持つことなく手が届くところからお菓子を食べ始めた。
「おいしいね」
「うん、おいしいね」
「お菓子ばかり食べてはダメって言うオトナはいないみたい」
「うん、いない」
「ずっと食べられるね」
「うん、止まらないね」
2人は食べ続けた。
暫くすると、黒い服を着た老婆がやって来た。
何かきょうだいに話しかけているが、2人は聞く耳を持たない。
黙々とお菓子を食べている。
そして、遂にお菓子の家がなくなった。
「お菓子の家、なくなっちゃったね」
「うん」
「まだ食べたいなあ」
「ねえ、これも食べれるよ」
「ほんとだ。おいしいね」
「うん、おいしいね」
お菓子の家があったまわりにあるものも食べられることに気がついたきょうだい。
近くの捨てられた黒い服には目もくれず、新しく見つけた『お菓子』を食べ続けている。