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イチローはガラパゴス著名人の代表だ。


 イチローさんが野球殿堂入り果たしました。それについてはこれっぽっちもケチをつけるつもりははありませんがこういう報道になるとやっぱり出てきたピートローズの記録を破ったというアレ。
 イチローはピート・ローズの記録、やぶってませんよ。だって「日米通算」はメジャー記録でありませんから。
 当時、日本のメディアがピート・ローズ氏にインタビューしたら
「(日米合算などという)そんな記録は認められるはずないだろ。そんなのがありならハイスクールの記録まで足していいことになっちまう」と至極真っ当な理屈を展開していたのですが、日本のメディアはローズ氏が負け惜しみを言っているかのような扱い。ここはイチロー本人がキッパリと日米合算はメジャー記録にあらずと大先輩に対するリスペクトも含め日本のマスコミを正してくれるかと思いきや、なにやらイチロー氏も日本のメディアにのっかっているよう。
 これで思い出すのがイチローさんとダルビッシュ氏の確執というやつ。ダル氏が「WBCなんて所詮アメリカでは注目されてない」と米国暮らしの肌感覚で得た客観的な印象を言ったらイチローがブチ切れたという。
 イチロー氏のようにアメリカに住んで活躍してる人でさえもそんな感じなのかと不思議でしたが世界で活躍している人はむしろ「ニッポンスゴイ病」をこじらせがちという傾向があるのかもしれません。
 コシノジュンコさんが、EXILEのUSAさんを自身のラジオ番組のゲストに招いた時のこと。世界中の祭りなどめぐってダンス交流行脚をしているのだというUSA氏との会話…

JK:だけど、世界中まわってきて、日本のものってどう思います?
USA:そうですね、世界のどこにもない、素晴らしいものがあると思います。
JK:オリジナル。
USA:日本のお祭りを巡った時に、いつか自分たちの新しい音楽とお祭りを作りたいなという風に、すごく強く思いました。
JK:あのね、世界で一番お祭りの数が多いの、日本ですよね。向こうはひとつでしょ。日本にどれだけあるか、数えていないけど、それはすごい、お祭り天国ですよ。そこの代表だから。

TBSラジオ「コシノジュンコ MASACA」2016/06/21

ひとつ?
え?2
ひとつって何?

アメリカだけでも超メジャーなまつり10個くらい思いつきますが。
これが決して私の聴き間違いではないということは上の文がTBSの公式書き起こしからの抜粋↓↓だということからもわかってもらえるかと。

  この手の人々はサザエさんくらいしか見たことないのに「日本のアニメは世界的だ」と自信満々に言ってたりします。実は日本のお役人もそのレベルだったりするのですが、そういう姿勢について浦沢直樹さんなどはあやうさを感じているそうです。(それはまたの機会に)

 かつて西岡剛という人と大魔神・佐々木主浩がテレビ番組の中での会話の流れで「MLBは世界最高峰だから」と佐々木氏がいうと西岡氏は「そうなんですか?日本が世界一じゃないんですか」などと信じられない返しをしていました。WBCで日本が勝ったから日本が世界一だとプロ選手までが誤解してしまうとは。でもメジャーのほんとうの一戦級の選手たちの顔ぶれについての知識がなければそうなってしまうかもしれません。そういえばひところの評論家は守備は日本人のほうがうまいなどと言っていましたが、日本にきている助っ人外国人が一戦級のメジャーリーガーだと完全に誤解したうえでの発言ですね。
 たまに民放の深夜のイレギュラーなメジャーリーグ中継にMLB知識がほぼゼロの元プロ野球選手が解説で呼ばれたりすることがあるのですが、ウンチクを語るのはほとんどアナウンサーの方で、全く解説になってなかったりします。エラーをしたときだけ「今のは捕ってほしかったですねぇ」とか言ってみたり、「この人は気持ちで打つタイプですね」などと、もはや国内中継においても死語なフレーズをかましたりと、これがこの国のプロフェッショナルというものの意識レベルなのだと呆れるばかりでした。かわりにネプチューンの名倉潤さんでも呼んでおけばもっと尺はうめられたでしょうに。
 日本シリーズの解説に呼ばれたミスターパーフェクトこと槙原寛己氏は実況アナがWHIPやWARといった指標に言及したとき
「そういうのが好きな人はにいいんだろうね」などとまるでそれらの数字が語るに値しないオタクのアイテムであるかのように一蹴していました。

 まぁ日米合算もんだいは実はシンプルなはなしです。台湾や韓国の選手が日本にきたときに日韓通算などとカウントしたりしないだろってことです。それでいて日米通算だけ認めさせようとするのはある意味、いかにも日本人らしいともいえます。ナポリタンを棚にあげて「なんちゃって和食」を糾弾するというあの身勝手さです。そもそも中華料理はなんちゃって中国料理ですし、洋食はもはやなんちゃって西洋料理ですらありません。軟式テニスや軟式野球や少林寺拳法もある意味、「なんちゃってスポーツ」です。アパルトヘイトのころの「名誉白人」という黒歴史は最もおぞましい“なんちゃって”ですね。

 厚切りジェイソン氏は日本の番組に出ると「日本すごい」を強要されると嘆いていました。その代表が「四季」というやつです。「いやいやいや、四季なんて世界中にあるよっ!」ってのが全外国人のホンネですが、現実主義者の坂上忍氏ならそれに共感するかと思いきや、きっと日本の四季は特別に美しいのだろうと逆に反論していました。
 ジェイソン氏以外、だれも文句を言わないのは日本のバラエティに出てる外国人のほとんどは「事務所」からやってきているからです。
 それでも街頭インタビューなどではうっかり真実がこぼれたりします。日本の菓子パン・調理パン文化は日本人の素晴らしい創造性のように語られますがキリスト教文化の国では「パンは神聖なもの」なのでいじくりまわしたりはしないということだそうです。(『所さんのニッポンの出番! SP』 2015年7月21日(火)TBS)
 そういえば外国人初の調理パン屋さんなどというニュースに出てきたのは中東の人でした。
 この手の話題でもうひとつ言うなら日本中が絶賛した「はやぶさ」ですが、どさくさにまぎれて「NASAもなしえなかった偉業」などと紹介していたテレビがありましたが、持ち帰ったサンプルの「分け前」の配分を見ればそれが大本営発表のデマだということがわかります。
 分け前の内訳ですが、60%以上は将来、分析技術がさらに進歩したときのためにそのままキープなのだそう。残り40%弱のうち、はやぶさチームは一応、優先枠ということですが、それでも5%。NASAの取り分はといえばなんと10%!そのココロは?というとシンプルに「貢献度」だとセンモンカの方がおっしゃっていました。つまり助言だなんだとウラでは必要不可欠な支えをしていたわけですね。
 宇宙開発といえば日本の民間企業による月着陸船がニュースに出ていましたね。着陸に成功した暁には月の砂やら岩やらをがんがん集めてNASAなどに売るとか豪語しているらしいのですが、着陸船自体には帰還能力はないので、その方法については「未定」だそうです。とりあえず「これおれのもんだからね」とツバだけつけとくという手法でしょうか。なかなかのものですね。
 そんなわけでイチローさんおめでとうございます。

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