その名前、つけてはいけない 其の一
自分が悩んでる困ってるという問題に
「あ、自分は実は死にたかったんだ」
と名前をあたえてしまいかねない。
とは精神科医の松本俊彦さん。
TBSラジオ「荻上チキ・Session」にゲスト出演した氏は
芸能人の自殺報道について警鐘を鳴らす。
一方で日本の市井の人々は
名前と定義のリンクがはがれがちだ
幼子を置いて自殺する母親に対し
「こどもがいるのになぜ?」
と批判的に言う人は少なくない。
が
「産後鬱(うつ)」とう名前が広まってから久しいはず。
こどもがいるのに
ではなく
こどもがいるから
という悲劇をおもいやる想像力はないのか?
とも思うが
そもそも「鬱」に対する理解がされていない。
精神疾患まわりについては未だに
「なんでも病名つければいいってもんぢゃねーよ」
と説教をたれるオピニオンリーダーと
それに拍手する人々がいる。
そうした人たちにとってはいまだに
「依存症=だらしない」
だったりする。
世間では
「リストカット」という見出し語についての説明は
かまってほしいだけ
死ぬ気なんてない
ということになっているらしいが
リストカットをした人のその後の死亡率は高いとは先述の松本氏
つまりリストカットは死ぬ手段ではなく
助けを求める意思表示なのだ
「どうせ死ぬ気なんてないんだよ」などと吐き捨てる人は
「どうせ死ぬ気なんてないんだよ」と言いたいだけ
その大半は誰かが言ってるのをマネしただけのくせに
「核心をついてるだろ」みたいなドヤ顔をする。
今回のセッションで出てきた
その他の重要ワーズ
ウェルテル効果
パパゲーノ効果
ネウボラ
でもまず
テレビでコメントするような
影響力のある方々が
「こころの病」というものがあることを理解すること
聞く耳をもつことが
最優先事項
これが「ネーミング後進国」ニッポンに対する
このZINEからの提言
しくみはシンプル
どの選択肢を選んだら
犠牲者が一番少なくて済むか
考えること。