不思議な縁のフランス人の友達

日曜日に10年来の友達のフランス人の2回目となる引越を手伝いに行った。

このフランス人Pとは、いつも不思議な縁で結ばれている。

最初の出会いからーーー

わたしが自力でフランス語を勉強し始めた頃、まずJDという名前のアメリカ人と知り合いになった。場所はとあるイベント会場。
わたしは英語はさっぱりできないので、JDと顔見知りになってその時は終わった。

ある日地元の商店街をブラブラしていたら、そのJDにまさにばったりと出合った。聞けば大学の英語の教師の傍ら、英語での観光案内もしているらしい。その時観光客として連れられていたのが、後々不思議な縁を紡ぐことになる、フランス人のPだった。
フランス語を勉強し始めていたわたしは、貴重な?生のフランス人だ!と喜んでSNSを教えてもらった。

フランス人のPは、聞けば近々日本人女性と結婚するそうで、就職先がうちの家と比較的近くだった。

彼は仕事を始め、彼の仕事と関係があるイベントに一緒に行かないか、拙いフランス語で誘ってみたらOKしてくれた。

日本語が当時全くできなかったPは、一緒に行ったイベントのチケット代も、わたしがうまく説明できなかったのもあるが、払ってくれなかった(笑)

ーーその時初めて一緒に行ったイベント元が今回の2回目の転職先になったことが、今回の一番の驚き!

その後すっかり仲良くなり、彼の家でのパーティに何回か呼んでもらった。
奥さんは全然お酒が飲めない人だった。

彼が出るイベントにはわたしも応援に行っていた。
3年くらい経って、一緒にイベントに参加した時のこと、
「実は転職したい」と相談を受けた。
「おー、じゃぁこのイベントで一番偉い人がいるから求人がないかどうか聞いてみようよ!」
わたしが会場にいた偉い人に「お友達のフランス人が転職先を探している」と伝えると「実は今度辞める人がいるので、困っていた。今度見学においでよ」と言ってくれた。

そして、あれよあれよとPの転職が決まった。

ここで引越の手伝い1回目。
Pはフランス人が好きらしい”bonsai"盆栽の鉢をたくさん持っていて、重ねることのできないそれは、1往復余分に費やした(笑)
そして歩いてでも行けるようになったPの家に、年に何回かパーティに呼んでもらった。

でもそのうち奥さんの姿が見えなくなり、お呼ばれすることが減ってきた頃、今度は「奥さんと離婚したい」と相談を受けた。
奥さんは実家にずっといて、夫婦なのに2年くらいまともに会ってないと言っていた。
いろいろ調べて、「別居して婚姻関係が成り立っていない場合、協議離婚ができる」ことをPに伝えた。
そして今年始めにパートナーのKくんが離婚の証人となり離婚が成立した。
(離婚の証人に異性がなるとややこしいらしいので、改名前でよかった)

5月くらいに、もう彼女ができていたのは、さすがのフランス人(笑)。
またしても地元商店街で、Pが女の子を連れているところにばったりと出くわした。
それからPと彼女さんとは何回かイベントで会った後、Pが久しぶりにパーティに呼んでくれた。

お呼ばれして開口一番、わたしはPに問いかけた
「ねーねー、初めて一緒に行ったイベント元があるでしょー?そこの出身の人がお店をやってて、そこでPが欲しがってたもの分けてもらえるかも?」
そして言うだけ言って、トイレに行って帰ってくると、「びっくりした!」と新しい彼女に言われた。
「え?なになに?何がどうしたの?」
わたしがトイレの間にPは重大発表をーわたしが開口一番話題に名前を出したところ、まさにそこへ転職するーと言ったらしい。
それで、今の家は会社の寮なので8月末には出て、隣の県に引越すらしい。
その日パーティに呼んでくれたのは、その報告だったらしいのに、わたしがいきなり転職先を口に出したものだから、バレた?知ってた?と思われたらしい。
それは流石にわからないでしょ!(笑)

そして、お酒も入って夜も更けて、彼女さんと話をするうち、実は彼女は虐待っ子だったと言い始めた。その時ちょうどKくんは寝ていて、Pは話に加われていなかった。
わたしは彼女さんと「辛かったね」と抱き合った。



そして日曜日の引越の日。
せっかく1回目の時余分に往復することになった盆栽はすでに育てるのを止めてしまったらしくすっかりなくなっていた。

大きいものは冷蔵庫だけ、今回は楽勝か!と思っていたのに、引越先の方にもっと大変なものが転がっていた。
その家が建った時から置いてある桐のタンスが2棹!
昔ながらの質も良い物ではあるんだけど、リサイクルにさえ引き取りを拒否されるくらい需要のないもの。今時こんな桐のタンスなんて置ける家がそもそもないよね、と思いつつ、これがまぁなんと重いこと重いこと。冷蔵庫を運ぶよりよっぽど大変!PとKくんでなんとかやっと2Fから1Fに下し、トラックに積み込んだ。廃棄業者に頼んだら4万円と言われたらしいので、うちら4万円分頑張った!(笑)
後はPがバールでぶっ壊すらしいけど、きっと硬くて苦労するだろうな。

Pの仕事は9月から始まるらしい。
電車に乗らないと家に行けなくはなったけど、またパーティに呼ぶねと言ってくれた。
今度はどんな縁があるのか。
新しい生活を始めるPと彼女さんに、Bon courage !








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?