
小さくて大きな世界がくれた、短くて長い日々を胸に
振り返ってみると、私はいつも大きくいたいと思っていた気がする。
その大きさの定義は曖昧で、いつもふわふわとしていたけど、自分のできる限り最大限に大きな事を成し遂げたかったし、人に影響を与えたいといつも思っていた。
そう思って、それをどんな形であれ何かを実現する事で自分の自信に繋げて良くも悪くも自分を正当化していた
だからこそ、世界が一変したあの時から、"自分のできる限り最大限"が限りなく縮んでしまったあの時から、無力で、自分のことすらまともにこなせなくて、それが許せなくて、悔しくて、もどかしくて、辛くて、悲しくて、怒りに溢れてるはずなのに無気力で...
実家に戻って、家は寝に帰る場所だった私には慣れない在宅ワークが始まった。
とても退屈で、世界が小さくて、気が滅入る毎日を過ごしていた2021年春
私の小さな世界の中に、とっても大きな、小さな世界ができた

びっくりするほど小さな体で精一杯生きて、泣けるほど短くこの子にとって長い一生を共にして
私の世界に大きな大きな世界を作ってくれた恩人(恩ハム?)
小さなゲージの中で過ごしているのに、高いところから部屋を見渡して、何かを思いついたかのように床材を掘り始めたり、うろうろして、毛繕いをして、砂浴びをして
動き回りたいだろうと少し大きめな折りたたみのプールの様なものを買って、その中に遊具をたくさん置いて遊ばせても、すぐに疲れてパタリと寝てしまうこの子に、私はいつも救われてた。

なぜか私のことが大好きで、私が部屋に帰ってくると猛烈にゲージから出たがるのに、手のひらに乗った瞬間おとなしくなってそのまま寝てしまうことを、お母さんに自慢をしてマウントを取っていた時間

上手くいかなくてイライラして泣きたい夜に、そわそわがさがさと外に出たがって、私の手のひらでただ私を見つめてくれていた時間

生まれた月が私と一緒で、一緒に誕生日を祝っているのに、ぽか~んとしていた時間

甘えん坊なのに、珍しいにおいがする兄に抱かれていると不思議な顔で静止していた時間

全部が全部、私の癒しの時間で、後世まで語り継ぎたい宝物になった。
無気力で何もやる気が出ない時も、この子の部屋を掃除して、ご飯をあげて、手のひらでころりと寝てしまったのを起こさないように一緒に横になって寝るだけで、生きている意味になった
もちろんほかにもいろいろあるけど、この子がいたから生きてることを感じていた
家族になれてよかった
出会えてよかった

この子が虹の橋を渡ってから、もうじき1か月になる。
ものすごく短かったと思うのに、1回悲しい気持ちになると10個の癒されたエピソードが出てくる。
今でも、夜はさみしくて泣いてしまうし、カサカサと音が聞こえるような気がするし、家を出るときにエアコンをつけたまま家を出ようとしてしまうし、外出中は早く家に帰りたくなる。
50gのお手玉でも持って暮らしたくなるほど、恋しくて泣ける
間違いなく「伴侶動物」だったし、今でも私の心を支えてくれている。
そんな風に一緒に暮らしてくれたこと、
小さな体で2年2ヶ月も生きてくれたこと、
私のことを好きになってくれたこと、
スキンシップを決して嫌がらないでそばにいてくれたこと、
出会ってくれたこと、
生きていた時間を一緒に過ごせたこと、
小さな世界の中に、大きな世界を作ってくれたこと、
その全てに感謝しているし、あなたのおかげでとびきり素敵な2年を過ごす事ができた。
たくさん空を駆け回って、雲の上でふにゃふにゃ寝ていてね。
夢の中で遊ぼうね。
おやすみ。
愛してるよ。






※この先少しうんち写ります※
